大阪環状線・鶴橋駅は大阪市生野区と天王寺区に跨ったところにあります。開業は1932(昭和7)年9月で今年で90周年を迎えました。
JR西日本は「大阪環状線改造プロジェクト」の名の下で大阪環状線のイメージアップ戦略を進めています。車両を103系・201系から321系に更新するとともに、駅舎の改装や駅ナカ施設の整備も進めています。それに伴って明るくきれいな駅が増えましたが、鶴橋駅は未だ昔の大阪環状線の雰囲気を色濃く残しています。
鶴橋駅には大阪環状線と近鉄大阪線(と大阪メトロ千日前線)が乗り入れます。近鉄鶴橋駅の開業はJRより18年早い1914(大正3)年です。開業時は現在地より300m東に位置していたそうですが、鉄道省城東線(現在の大阪環状線)の開業に合わせて1932年7月に現在地に移転しています。
先月の大阪滞在中に大阪環状線・桃谷駅でこんな告知を見つけました。JRと近鉄の連絡開始90周年を記念して、9月17~21日の5日間に両社の入場券購入者に対して記念台紙を配るという内容でした。期間中700枚の配布で、90周年当日の9月21日だけは300枚の配布で、他の日は100枚でした。
私は先に近鉄の方から購入しました。近鉄は西改札の有人窓口でB型硬券の記念入場券を発売していました。白い無地紋で「近鉄とJR連絡開始90周年記念」と赤字で印刷されています。日付も2022年9月21日が予め印刷されていました。近鉄の記念入場券は初めて買いましたが、悪くないと思います。
一方でJRは近距離券売機で発売するエドモンソン券の入場券でした。近鉄が硬券の記念入場券まで用意していたのに、JRが券売機券で済ませたのはちょっと温度差を感じました。
私は入場券=当然マルス券と思いこんでいて、みどりの窓口で大人のマルスの入場券を買ったんですが、台紙を貰う際に券売機で発行するエドモンソン券じゃないと入らないと言われ、台紙を貰ってから小児のエドモンソン券を買い直しました。
近鉄版の台紙です。内面の左側には近鉄鶴橋駅の歴史とともに、80000系「ひのとり」の写真が入っています。外側もやはり「ひのとり」で、近鉄の推しぶりを感じます。右側の10100系っぽい車両の部分については後述します。
JR版の台紙です。内面の右側には鉄道省以来のJR鶴橋駅の歴史とともに、321系の写真が入っています。こちらは左側に103系の写真が入っています。台紙がこのサイズでマルス券だと収まりが悪いですね。
両社の台紙の真ん中の赤い線に沿って切れ込みを入れて差し込むと、このようにセットの画像として繋がります。真ん中の写真は告知のポスターの上部の写真と同じものです。近鉄駅を移設した際の工事の写真のように見えます。ポスターに記載されていた「両方の台紙を合わせるとあなたの手でコラボ完成!」というのはこのことです。ただ、私は切れ込みは入れずに貰った時の状態で保管しています。
この企画については少なくともJR西日本のプレスリリースに告知はなく、鶴橋駅と桃谷駅を始めとするその被管理駅だけで告知されていたようなので、日ごろから業務上で接点のある両社の現場で発案して企画されたものなんでしょう。両社で台紙が大きさが微妙にずれていて手作り感が溢れていましたが、わずかながら増収にも結びついているでしょうし、こういう企画はとてもいいと思います。また何か遭遇したら参加してみたいです。