続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

鉄道開業150周年記念JR東日本パス

 今年は新橋~横浜間で鉄道が開業して150年を迎えます。それを記念して各地で記念グッズやきっぷの販売や各種イベントが開催されています。

 記念きっぷのキワモノとしてはJR全駅(4,368駅)のバインダー付き入場券セットが70万円(税込み)で発売されていました。もっとも、鉄道会社の中にも温度差はあって、我関せずのような会社もあればいろいろとイベントを仕掛けてくる会社もあります。

 JR東日本は150周年の当事者というだけあってとりわけ熱心です。5月には10月に鉄道150周年を記念した「鉄道開業150周年記念JR東日本パス」を発売することを早々に発表しています。

 「鉄道開業150周年記念JR東日本パス」は鉄道の日である10月14日から2週間発売されました。「JR東日本パス」と称するきっぷの発売はJR東日本が完全民営化を果たした2003(平成15)年、東日本大震災の復興支援の2011(平成23)年に続き3度目です。以下に3つの「JR東日本パス」を比較してみます。

  2003年
(完全民営化記念)
2011年
  (震災復興支援)  
2022年
(鉄道開業150周年)
日数・価格 1日用: 8,000円
2日用:12,000円
1日用:10,000円 3日用:22,150円
中高生用 1日用:3,000円
2日用:4,000円
設定なし 設定なし
指定利用回数 1日用:2回
2日用:4回
2回 4回
JR東以外の
フリーエリア
なし IGR・青い森鉄道
北越急行
IGR・青い森鉄道
三陸鉄道・北越急行
伊豆急・富士急
トキ鉄(直江津~新井)
購入期限 前日まで 前日まで 3日前まで
発売箇所 窓口 窓口・指定席券売機 「えきねっと」のみ

 フリーエリア内は新幹線・特急の自由席が利用できて、回数限定で指定席が利用できることは共通です。それ以外の条件はまちまちです。

 インパクトとしては2003年のものが一番です。中高生用もあって家族連れでの旅行にも優しい設定でした。今年のものは「えきねっと」での販売のみとしたのはいかにも最近のJR東日本らしいやり方です。

 発売額は3日間で22,150円という中途半端な額です。最後の150円は150周年に絡めたんだと思いますが、コロナ禍で苦境になければ効力は変えつつも15,000円で売り出されたんじゃないかなと思っています。

2022年10月
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 利用期間は150周年当日の10月14日から27日までの2週間でした。カレンダーにすると黄色の部分です。ちゃんと3連休は外していたり、土日が2回しかなく鉄道150周年を謳う割に微妙だなと感じました。

 あと、指定席利用回数が3日で4回というのも少ないと感じました。2011年当時は全車指定席の列車は新幹線は「はやぶさ」「はやて」「こまち」、在来線特急は「成田エクスプレス」「スーパービュー踊り子」ぐらいで少数派でしたが、現在は新幹線では「かがやき」「つばさ」、在来線特急の「ひたち」「あずさ」「踊り子」などが加わり格段に対象が増えています。

 ちなみに在来線特急の座席未指定券を利用する場合でもフリーきっぷ単体では利用できず、指定席利用回数を1回分消費したそうです。4回を超えたら別途特急券の購入が必要でした。きっぷが3日間有効なわけですから、せめて6回にできなかったのかなと思いました。

 私の場合はこのきっぷを有効活用するには土日を絡めるしかないんですが、14日は直前に大阪出張が入り、21日は前々から入れていた予定を優先したため、結局利用機会はありませんでした。ただ、なまじ昔の安いフリーきっぷを知ってしまっているので、このきっぷに大して魅力を感じなかったのは事実です。

 ニュースなどで取り上げられたこともあり、twitterのタイムラインを見ていたら、期間中の東京方面からの新幹線(特に自由席)が激混みになっていたり、東北地方のホテルが満室になっているなんて情報が流れていたりで、このきっぷの効果は相応にあったようです。

 2週間という短い期間の設定だった上に、同じタイミングで全国旅行支援が始まったこともあり、乗客がただでさえ短かった発売期間中に集中してしまった感はあります。10月に拘らず「大人の休日俱楽部」のフリーパスのように年に3~4回の発売期間を設けて分散させた方が良かったんじゃないかなという気はします。