続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

新幹線回数券全廃へ

 JR東海は1月24日のプレスリリースで東海道新幹線の一部区間で発売している新幹線回数券を今年12月22日で発売終了することを発表しました。

 発売終了となるのは以下のきっぷです。

  • 新幹線回数券(自)
  • 東京新幹線自由席回数券
  • こだま専用グリーン回数券

 これで定期券用を除き新幹線の回数券がほぼ全廃されます。JR東日本と西日本の新幹線回数券は既になくなっていて、JR北海道(北海道新幹線)は開業当初からありません。JR九州のアレは辛うじて回数券と呼べるかもしれないので「ほぼ」としています。

新幹線回数券(自)

 「新幹線回数券(自)」は東海道新幹線の自由席が利用できる6枚綴りの回数券です。かつては山陽区間や「ひかり・こだま自由席回数券」として発売されていた区間もありましたが、何度かの整理を経て現在に至ります。指定席用の「新幹線回数券(普)」やグリーン車用の「新幹線回数券(G)」は2022年3月末で発売終了しており、東海道区間の自由席用を残すだけとなっていました。

www.imadegawa075.net

 自由席用の「新幹線回数券(自)」についても2019年3月から徐々に発売区間が削減され、直近では首都圏や名古屋発着を中心に33区間にまで減っていました。こちらの東京(都区内)~三河安城間は2021年3月で発売終了しています。

 代替として「EXサービス」で自由席利用で前日までの事前購入型の「EX早特1」を新たに発売します。「EXサービス」での自由席用の早特は初登場です。「EX早特1」は「新幹線回数券(自)」の1枚あたりの発売額と同じですが、特定都区市内制度が適用されず「EXサービス」限定で当日購入できないという縛りは代替商品としてどうかと思うところです。

東京新幹線自由席回数券

 「東京新幹線自由席回数券」も東海道新幹線の自由席が利用できる6枚綴りの回数券ですが、これはちょっと変わり種です。静岡県内の在来線主要5駅と東京(都区内)までの設定で、在来線と新幹線を通しで利用するタイプです。こちらの焼津以外に沼津・清水・藤枝・袋井発着の設定があります。券名にわざわざ「東京」が付くだけあって静岡県側の片発売で、首都圏での発売はありません。

  正規運賃+料金 東京新幹線
自由席回数券
EX早特1+在来線
△沼津~東京(三島経由) 4,070円 3,730円 3,920円
△清水~東京(静岡経由) 5,940円 5,670円 5,730円
▲焼津~東京(静岡経由) 5,940円 5,490円 5,730円
▲藤枝~東京(静岡経由) 6,270円 5,750円 5,910円
▲袋井~東京(掛川経由) 7,470円 6,860円 7,130円

 こちらの代替は特にありません。東京駅発着で利用する場合は「EX早特1」を利用した方が正規より申し訳程度に安くなりますが、「東京新幹線自由席回数券」よりは値上がりしています。

 ちなみに「東京新幹線自由席回数券」はすべて東京(都区内)発着で、普通乗車券では△の区間は東京山手線内発着になり、▲の区間は東京都区内発着になります。「EX早特1」と併用して東京周辺の在来線を利用する場合は東京駅から(まで)の運賃が別途必要になります。区間によっては正規よりも割高になる場合があります。

こだま号専用グリーン回数券

 「こだま専用グリーン回数券」はその名の通り「こだま」のグリーン車が利用できる4枚綴りの回数券です。1枚あたりの価格は乗車券+指定席特急料金+500円です。昔は正規料金にワンコイン追加でグリーン車が利用できることをアピールしていました。実は「ひかり」の指定席も利用できたりしますが、当然差額の返金はありません。

 これに代替する商品は「EXサービス」に既にある「EXこだまグリーン早特3」になろうかと思います。「こだま専用グリーン回数券」は東京(都区内)発着しかありませんが、「EXこだまグリーン早特3」は特定特急料金区間以外の東海道新幹線全区間に設定があり「こだま専用グリーン回数券」より大幅に安く設定されているので利便性は高いです。

 上の券は20年前の「こだま専用グリーン回数券」です。「こだま」であれば100系新幹線のグリーン個室も利用できたので、その当時はグリーン個室を安く利用する手段として利用していました。それ以来利用することがなかったので今まで残っていたことの方が意外でした。


 JRが回数券を廃し自社のネット予約に囲い込みたいのはよく分かるんですが、回数券は割引がある上にすぐに買えて財布に入れておけば使いたいときに使えるのがメリットでした。それをネット予約で事前に予約しないと割り引きません、買い方によっては高くなる場合もありまっせというのは選択肢としてどうなのかと思うところはあります。

取り扱い終了が目立つ金券ショップ:豊橋市内にて 2023/10/8

 回数券のバラ売りは金券ショップの主力商品でもあったので、この業界は新幹線回数券の度重なる縮小や普通回数券の発売終了で痛めつけられていたところに、今回の新幹線回数券の完全終了で息の根を止められるところも出てくると思います。JRにとって不俱戴天の敵である金券ショップ潰しができてしてやったりなのかもしれませんが。