岡山たびきっぷ
JRグループは今年3月で「周遊きっぷ」の発売を終了しました。古くは「周遊券」として発売されていました。「周遊券」は発駅と周遊区間までの経路が指定されている反面、最短7日・最長20日と有効期間が長めでした。反面、「周遊きっぷ」は発駅・経路は自由に指定できる代わりに、有効期間は最長でも10日と短縮されました。
おそらく「周遊きっぷ」の代替だと思いますが、JR東海で今年4月より往復乗車券+新幹線指定席+フリーエリアがセットになった「たびきっぷ」を発売しています。フリーエリアは岡山・四国・広島・山口と4箇所設定されていて、「〇〇たびきっぷ」という名称となっています。4種類とも出発前日までの発売でフリーエリア内は特急列車の自由席が利用可能で、5日間有効です。
しかし、発駅エリアの設定は東京都区内と名古屋市内の2箇所しかありません。ずいぶんと潔く割り切った設定です。価格は以下のようになっています。
エリア | 東京都区内発 | 名古屋市内発 |
---|---|---|
岡山 | 32,000円 | 22,000円 |
四国 | 35,000円 | 28,000円 |
広島 | 35,000円 | 28,000円 |
山口 | 39,000円 | 30,000円 |
横浜市内とか静岡や浜松といった他の東海道新幹線の沿線駅からの設定がないのが不思議というか不可解です。
東京都区内発の「岡山たびきっぷ」の現物です。発駅から岡山駅までの往復新幹線が利用できます。往路は「指定席券売機」で指定券を取れますが、復路はなぜか窓口で引き換える必要があります。「岡山たびきっぷ」のフリーエリアは以下の通りです。
【フリー区間】
- 山陽線:和気~倉敷
- 伯備線:倉敷~総社
- 宇野線:岡山~宇野(全線)
- 瀬戸大橋線:茶屋町~児島
- 吉備線:岡山~総社(全線)
だいたい岡山近辺のJR線が利用できますが、その割に赤穂線や津山線は利用できないというちょっとよくわからないエリア設定です。
【ひとこと】
フリーエリアは正直狭いと思います。経路は新幹線以外の選択はできないので、「周遊券」っぽいですが、逆に有効日数は5日間なので「周遊きっぷ」に近いです。往復の新幹線特急料金が含まれているので、途中下車もできません。
JR東海では「岡山までの往復プラス320円」と宣伝しています。前日までの購入という制限と単純往復より安くないのはビジネス客に利用されるのを防ぐためと思われます。児島や総社まで特急列車に乗り継いで自由席を利用する場合は多少のメリットを見出せますが、割安感はありません。
私は横浜市内の駅から四国へのアプローチにこのきっぷを使いました。横浜市内~児島の往復乗車券+エクスプレス予約のe特急券の合算がこのきっぷより安かったのに気付いたのは旅行から帰った後でした...。
使い勝手:★★☆☆☆
お得感:★☆☆☆☆(区間によりけり)
当日発売:なし(前日まで)
小児用:あり(半額)
【補足:2014/5/9】
「たびきっぷ」のうち東京都区内発は26年3月末で発売終了し、現在は名古屋市内発のみ発売されています。
【補足2:2022/11/6】
名古屋市内発着の「たびきっぷ」も2021年8月で発売終了したので、カテゴリーを追加しています。