正月パス発売終了?
いつ頃か正確なことはわかりませんが少なくとも10年は前から、正月にJR東日本全線の特急・新幹線が乗り降り自由のフリーきっぷが発売していました。年末年始輸送の谷間の元旦は乗客が減るので、その穴埋め的なきっぷだと解釈しています。
昔は元旦に加え1月2日にも選択できたり、指定券交付回数に制限がなかったりしていましたが、ここ数年は「正月パス」という名称で元旦のみの利用、指定席利用回数は4回という制限が付いています。その代わりJR北海道の中小国~函館間が利用できるようになり、その気になれば東京~函館の日帰り旅行も可能でした。(函館滞在可能時間は約3時間半だそうですが…)
かく言う私も仙台在住時代に当時の「お年玉フリーきっぷDX」で親戚宅へ行くついでに1回だけ利用したことがあります。でも、一回使って「もういいや」って思いました。正月から観光もせずにひたすら乗り鉄することが何となく性に合わないと感じたためです。普通車用に限っての話ですが、1日あたりの値段は「三連休パス」の方が割安です。
(正月パス平成14年版)
ちょっと古いですが、平成14年版「正月パス」のもらい物です。この当時は1月2日利用の設定もあり、指定席利用回数に制限がない代わりに、フリーエリアはJR東日本管内に限られていました。
毎年正月の恒例商品的な「正月パス」でしたが、来年(平成22年)の正月は発売しないことが発表されています。その代わり今年は年末年始に利用できる東京都区内・大宮発で管内7つのフリーエリア着の「ふるさと行きの乗車券」というそのまんまな名前の往復きっぷを発売するというのが理由でした。
「ふるさと行き~」が「正月パス」の代替ができるかと言うと疑問があります。「ふるさと行き~」は首都圏発しかないので、首都圏外の人が遠出する選択肢としては使えません。首都圏の人が使うにもフリーきっぷではなく往復タイプですので、着地で往路のきっぷは回収され、いろいろと乗る場合には新たに乗車券を購入する必要があります。当然、新幹線や特急列車に乗る場合は別途特急券が必要になります。
元旦と1月2日に「えきねっと」で「お先にトクだ値」が設定されていたり、盛岡支社管内主要駅からは「元旦東京フリーきっぷ」という独自設定のフリーきっぷを発売したりしていますが、いずれも「正月パス」の自由度には及びません。今年も発売されることを見込んで元旦の計画を立てていた人にとっては少々納得の行かない話かもしれません。今年の利用動向を見極めて来年も「ふるさと行き~」一本で行くのか、「正月パス」を復活させるのか検討するんでしょう。