DLやまぐち(2021年版)
◆種別:快速
◆区間:新山口~津和野
毎年3月から運転を開始する快速「SLやまぐち」ですが、今年は牽引機のD51-200およびC57-1が検査修繕のため、3月から9月まではディーゼル機関車(DL)牽引の「DLやまぐち」として運転されています。
7年前に大雨で山口線・地福~津和野間が不通になっていた際に、津和野駅でSLの転回ができないため復路の地福→新山口間で「DLやまぐち」が運転されたことがありました。その時のDL+客車という組み合わせが案外好印象で、また運転されないかなと思っていました。
ただ、DLはSLよりどうしても集客力が落ちます。JR西日本としては月替わりのヘッドマークを用意したり、DE10による重連運転を実施したり、STU48とコラボした記念乗車証を配布したりと集客に腐心しているのが伺えます。
オリンピック開幕式の連休の乗車でしたが、難なく指定は取れました。実際に乗車してみても乗客は1ボックスに1~2名で、かなり空いていました。
「2号車」の下の青いうっすらとしたチケッターですが、山口列車区の鶴のデザインのチケッターが押されていました。あまりにインクが濃かったので乗車中に乾かず、やむなく時刻表に挟んでいたら、インクを吸ってこんな状態になってしまいました。このチケッターはまた別の機会で貰いたいです。
私が乗車した時の牽引機のDD51はSLの置き換え用に1962(昭和37)年から649両製造され、客車や貨物列車の牽引に活躍し無煙化や近代化に貢献しました。国鉄分割民営化の際には四国を除くJR6社(旅客5社+貨物)に継承されました。しかし、客車列車の減少や老朽化の進行とともに数を減らしていき、今年3月のダイヤ改正でついに貨物の定期運用もなくなりました。
現時点で残っているのはJR東日本の2両、西日本の5両、貨物の6両の計13両です。SLは稼働できる保存機が各地にありますが、DLの保存機については例がなく、検査期限が到来する数年のうちに廃車になると思われます。DLはSLほどの集客力はないかもしれませんが、DL列車の方がSL列車よりもかえって貴重な気がしています。
「DLやまぐち」の運転は9月20日までです。10月からはD51-200が復帰し「SLやまぐち」に戻ります。個人的には冬季などSLの運転が厳しい時期にDLで運転してみてもいいような気がします。果たして三たび「DLやまぐち」が運転される日は来るのでしょうか?