きたぐに91号
◆種別:急行
◆区間:大阪→新潟
北陸線は電化当初は全線交流電化でしたが、1991(平成3)年に米原~長浜間が直流化され、2006(平成18)年に長浜~敦賀間も直流化され、滋賀県内の北陸線は全て直流電化になりました。今日はその日から15年になります。
その年の9月23~24日にかけて、北陸線は直流化工事のため列車の運休や時刻変更が実施されました。交直のセクションが敦賀~南今庄間に移るため、深夜帯にそこを通過する列車を運休させたり、時刻変更して回避させたりしていました。
以前の記事(と言っても15年前)で紹介した「しらさぎ95号」は「しらさぎ65号」を米原~武生間で区間運休し武生~金沢間を同ダイヤで運転した列車で、そのうちの一つです。
当時、大阪~新潟間を結んでいた下りの急行「きたぐに」は定期列車を運休にし、代わりに大阪発を約4時間繰り上げた「きたぐに91号」を運転しました。
きたぐに号 (定期列車) |
きたぐに91号 (代行) |
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23:27発 | 大阪 | 19:37発 |
0:02発 | 京都 | 20:10発 |
1:05発 | 米原 | 21:38発 |
1:37発 | 敦賀 | 22:23発 |
2:17発 | 福井 | 23:20発 |
2:49発 | 小松 | 23:58発 |
3:10着 3:47発 |
金沢 | 0:20着 3:47発 |
4:28着 | 富山 | 4:28着 |
8:30着 | 新潟 | 8:30着 |
大阪~金沢間を大幅に繰り上げていますが、金沢で3時間停車以上停車して時間調整し、金沢から先は所定時刻と同じになっています。
「きたぐに91号」の急行券です。当時存在した5489サービス(電話予約)で予約しました。「きたぐに」には普通車指定席がなかったので、グリーン席を取りました。小松~富山間は当時の特急列車でも1時間程度だったのに、この列車は金沢で3時間27分の停車があるため4時間半もかかっています。
この北陸線直流化工事の総事業費は161億円で、工事に3年を要しています。費用は滋賀県と沿線自治体と福井県が分担して143億円負担しています。費用は巨額ですが、直流化によって長浜や永原止まりだった京都・大阪方面から北陸線や湖西線の列車が敦賀まで直通できるようになって利便性が向上したので、それに見合った投資と言えるでしょう。
そして、2024年春に予定されている北陸新幹線敦賀開業の際には北陸線・敦賀~金沢間が第三セクター会社に分離され、JR西日本の在来線から交流電化区間がなくなります。これでJR西日本は七尾線用の521系(七尾線は直流電化だがIRいしかわ鉄道が交流電化なので金沢乗り入れには交直流電車が必要)を除き交直流車両を保有する必要がなくなりますから、結果的に北陸線を敦賀まで直流化したことはJR西日本にとっても相当なメリットだったんじゃないかと思います。