続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

J-WESTポイント特急券

 今年8月5日から今月末まできっぷの代金の一部にJ-WESTポイントを充当できる「J-WESTポイント特急券」が発売されています。

 これまで代金の一部にJ-WESTポイントを充当できるきっぷは「J-WESTポイント特割きっぷ」、「J-WESTポイント特典きっぷ」と発売されてきており、「J-WESTポイント特急券」が第3弾になります。

 懲りずに短い期間の間によく似た名前のきっぷが発売されているので、それぞれ比較してみます。

  J-WESTポイント
特割きっぷ
J-WESTポイント特典きっぷ J-WESTポイント特急券
500ポイント 3000ポイント
発売期間 2020/10/25~12/25
2021/2/15~3/28
2022/4/1~6/30(1期)
2022/9/1~10/31(2期)
2022/8/5~10/31
タイプ 乗車券+特急券 乗車券+特急券 特急券のみ
設定区間 大阪~北陸・南紀 広島・新山口~小倉・博多(1期)
新大阪・広島~小倉・博多(2期)
山陽新幹線
相互区間
山陽新幹線
300Km超区間
乗り遅れ時 無効 無効 後続の自由席
利用可
無効
発売期間 乗車13日前~当日 乗車1ヶ月前~当日(1期)
乗車1ヶ月前~3日前(2期)
乗車1ヶ月前~当日

 ここで紹介する「J-WESTポイント特急券」は初めて特急券単体で発売されるとともに、充当できるポイント数が固定だった従来商品と異なり、500ポイント利用3000ポイント利用の2タイプが用意されています。

 500ポイント利用は隣接駅を含めた山陽新幹線全区間で利用できるのに対し、3000ポイント利用は300Km以上の区間(新大阪からだと東広島から西、博多からだと東広島から東)に限定されています。

 JR西日本が1ポイント=1円換算で計算しているので、同じく1ポイント=1円として主要区間でそれぞれのきっぷで料金比較をしてみます。通常料金は「のぞみ・みずほ」利用の通常期のもので、「J-WESTポイント特急券」の料金はポイント支払い分も加算したもの、割引率は通常料金に対するものです。

【500ポイント利用】

区間 通常料金  eきっぷ  JWポイント
特割きっぷ
(500P込み)
割引率
新大阪~姫路 2,500円 1,760円 1,760円 29.6%
新大阪~岡山 3,270円 2,530円 2,530円 22.6%
新大阪~広島 4,910円 4,120円 4,120円 16.1%
新大阪~新山口 5,470円 4,570円 4,570円 16.5%
新大阪~小倉 5,810円 4,910円 4,910円 15.5%
新大阪~博多 5,810円 4,910円 4,910円 15.5%
岡山~博多 5,470円 4,570円 4,570円 16.5%
広島~博多 4,140円 3,400円 3,400円 17.9%
新山口~博多 3,270円 2,530円 2,530円 22.6%

 500ポイント利用の場合、実質的な支払額はeきっぷと同額です。eきっぷの代金の一部に500ポイント充当しただけで、eきっぷ以上に安くなってはいません。私は実際に利用してから気づいたので、ちょっと失敗したなと思いました。

【3000ポイント利用】

区間 通常料金  eきっぷ  JWポイント
特割きっぷ
(3000P込み)
割引率
新大阪~広島 4,910円 4,120円 3,800円 22.6%
新大阪~新山口 5,470円 4,570円 4,050円 26.0%
新大阪~小倉 5,810円 4,910円 4,200円 27.7%
新大阪~博多 5,810円 4,910円 4,200円 27.7%
岡山~小倉 4,910円 4,120円 3,800円 22.6%
岡山~博多 5,470円 4,570円 4,050円 26.0%

 3000ポイント利用の場合はいずれもeきっぷや500ポイント利用時よりも安くなっています。当日購入も可能ですし、これならポイントを充当する価値があります。ただし、3000ポイント利用には割り当て席数に制限があり、乗り遅れた場合には無効になるという条件の厳しさがあります。

500ポイント利用

3000ポイント利用

 3ヶ月を切る短い設定期間の間に両方とも使う機会があったので使ってきました。特急券単体になるのでどんなきっぷになるかと思いきや、普通の新幹線特急券の様式に上部に「ポイント利用きっぷ」と印字されているだけでした。印字された金額はポイント利用分を除きカード決済した金額です。私は企画券に指のみ券が付くと予想していたので、見事にハズレました。

ひとこと

 500ポイント利用はeきっぷと同額であるものの、乗り遅れ時は後続列車の自由席が利用できる反面、3000ポイント利用はeきっぷより安くなっているものの、乗り遅れ時は無効になるという差があり、区間と手持ちのポイントと条件を許容できるかで利用の判断すればいいと思います。

 「J-WESTポイント特急券」もわずか3ヶ月弱の発売です。今のところ延長のアナウンスは出ていません。その間に前回と商品内容を変えた「J-WESTポイント特典きっぷ」も2ヶ月限定で再発売され、短期間に乱発している印象すらあります。

 JR西日本の期間限定のトクトクきっぷは発売期間が3ヶ月程度と短いものが多いため、せっかく存在を記憶の片隅に置いておいても、いざ使おうとしたら発売期間外もしくは発売終了していたりします。

 試行錯誤、トライ&エラーと言うと聞こえはいいですが、こういう売り方は利用客の期待を裏切ることにもなりかねないですし、チラシやHPの作り替えも頻繁に発生し、結局非効率になると思います。こういうことは短期的な成果を追い求めるのではなく、もう少し長期的に取り組んで欲しいなと常々思っています。

使い勝手:★★★☆☆

お得感:★★★☆☆(500ポイント)

   :★★★★☆(3000ポイント)

当日発売:あり

小児用:なし

【補足:2023/4/22】

 「J-WESTポイント」は2023年3月7日に「WESTERポイント」に改称されました。2023年4月から2024年3月まで「J-WESTポイント特急券」に代わる同じ効力の「WESTERポイント特急券」がe5489限定で発売されています。ただし、500ポイント利用のみで3000ポイント利用は設定されていません。