平成29年10月乗車分より、JR北海道管内の在来線特急での「えきねっと」の早期購入割引である「トクだ値」の設定範囲が拡大されました。北海道新幹線や「スーパーとかち」「スーパーおおぞら」では既に設定がありましたが、道南・道北・オホーツク方面へも設定が追加されました。
10月から設定されたのは以下の区間・列車でした。既に設定のあった道東を含めるとエリアは全道ほぼ網羅されました。
主な設定区間 | 発売額(割引率) | |
---|---|---|
北斗 スーパー北斗 |
札幌(市内)~函館 南千歳~新函館北斗 南千歳~函館 |
6,170円(30%)、7,500円(15%) 5,350円(30%)、6,490円(15%) 5,570円(30%)、6,760円(15%) |
ライラック | 札幌~旭川 | 2,630円(45%) |
オホーツク | 札幌(市内)~遠軽 札幌(市内)~北見 札幌(市内)~網走 |
5,170円(35%) 5,880円(35%) 6,930円(30%) |
大雪 | 旭川~遠軽 旭川~北見 旭川~網走 |
2,160円(55%) 2,990円(55%) 3,980円(50%) |
サロベツ | 旭川~名寄 旭川~音威子府 旭川~稚内 |
1,800円(45%) 2,300円(55%) 4,150円(50%) |
道南方面の「北斗」「スーパー北斗」については列車や曜日によって割引率を変えています。例えば「スーパー北斗1号」は平日・休日は30%ですが、土曜だけは15%になります。逆に「スーパー北斗17号」は土休日が30%ですが、平日は15%だったりします。
札幌~旭川間では「ライラック」には設定があって「カムイ」にはありません。「カムイ」は5両編成のうち指定席は1両しかありませんが、「ライラック」は6両編成で1.5~3.5両の指定席があり余裕があります。なので、できるだけ「ライラック」に誘導したいという意図が見えます。
札幌~オホーツク方面は直通の「オホーツク」よりも、旭川乗継の「ライラック」+「大雪」の合算の方を安く設定しています。また、旭川発着の場合は「大雪」の設定のみで「オホーツク」の設定はありません。札幌発着の利用客はできるだけ旭川乗継へ誘導し、旭川発着の利用客は「大雪」に誘導したいという意図が見えます。
宗谷線方面に至っては札幌から直通する「宗谷」の設定はなく、旭川発着の「サロベツ」のみの設定です。「宗谷」を利用する場合は正規料金が必要ですが、オホーツク方面と同様に旭川乗継の「ライラック」+「サロベツ」の利用であれば大幅に安くなります。
こうして設定側の意図を読んでみるのも面白いです。
さて、私は北海道へ行く際はあまり特急券は買わないんですが、直近で利用した北海道完結の「トクだ値」を上げておきます。
先ほど例に挙げた「スーパー北斗17号」の「トクだ値30」です。30%引きなので、土休日利用ということが分かります。今はなき新青森駅のMV35型の指定席券売機で受け取っており、JR北海道完結の予約でもJR東日本管内での受け取りは当然できます。
こちらは夏に利用した「大雪」の「トクだ値55」です。写真では何度も撮っていましたが、実際に利用したのはこの時が初めてでした。「トクだ値」は何度も利用していますが、50%を超える割引率のものは初めてで、「こんなに安くしていいんかいな?」と思ってしまいました。
昨年10月から「カムイ」が、12月から「宗谷」にも「トクだ値」の設定が追加され、これで「すずらん」以外は「トクだ値」が設定されました。利用する機会があればまた取り上げてみます。