JR北海道のキハ183系が老朽化のため3月17日で定期運行を終了します。それ以降は道内各地でさよなら列車が運行され、4月中には完全に終わる予定です。
JR北海道では昨年の頭あたり記念入場券の発売や絵幕の「オホーツク」の復活、一部編成を白とオレンジの新特急色に変更するなどキハ183系の引退を盛り上げるキャンペーンを展開しています。
昨年7月からはキハ183系で運行される特急「オホーツク」・「大雪」の1号車17番A・B席と4号車17番A・B席を前面展望が楽しめる「かぶりつきシート」として発売しています。1号車はもともと指定席ですが4号車は自由席で、17番A・B席の2席のみを指定席として発売しています。
4号車の座席配置を「えきねっと」のシートマップで見るとこんな感じです。指定席は2席だけで、1番~16番と17番C・D席は自由席なのでスカスカです。ちなみに17番C・D席の前は運転席の背後で壁になっていて、前面展望はまったく楽しめません。
「オホーツク」・「大雪」とも遠軽駅で方向転換するので、下り列車(奇数号)は札幌・旭川~遠軽間は1号車が前で、遠軽~網走間は4号車が前になります。上り列車(偶数号)は網走~遠軽間は1号車が前で、遠軽~旭川・札幌間は4号車が前になります。
この企画が実施されてから時折かぶりつきシートの空き具合を見ていたんですが、土休日や学休期間は発売初日に押さえられていることもあり、なかなかの人気ぶりでした。こうして前面展望を楽しめる列車は年々減ってますから、人気が出るのも分かる気がします。
今年になって2回利用したかぶりつきシートの特急券です。券面には何の特徴もありませんが、席番まで見るとかぶりつきシートを利用したことが分かります。4号車指定席のきっぷは貴重かもしれません。上の「オホーツク1号」は旭川~遠軽間、下の「大雪3号」は遠軽~北見間がかぶりつき状態でした。
座席に座って前を見るとこんな感じです。前面展望を優先するなら窓側のA席より通路側のB席の方がよく見えます。
「オホーツク1号」のかぶりつきシートに乗車した際は白滝~丸瀬布間で線路内にエゾシカの群れが侵入したため、警笛を鳴らしながら減速運転する様子がつぶさに見られました。かぶりつきシートからスマホの望遠レンズで撮るとこんなに接近して見えます。
エゾシカは急に飛び出してきて、警笛を鳴らしても線路脇に逃げずに列車に追われるように進行方向に向けて走るのでなかなか厄介だなと感じました。この影響で結局網走には14分遅れで到着しました。
なお、「大雪3号」は遠軽発車が19:00で前面展望を楽しめる頃には既に外は真っ暗で、車内の蛍光灯が前面のガラスに映りこんで何も見えませんでした。初夏から夏にかけての日の長い時期だったら楽しめたのかもしれませんが…。
キハ183系の定期運行は今週金曜で終わりです。かぶりつきシートに興味があれば狙ってみてはいかがでしょうか。