ICOCAエリア普通回数券発売終了へ
JR西日本は3月31日のプレスリリースで今年10月からの「ICOCAポイントサービス」の拡充と自社管内のICOCAエリア内相互間での普通回数券を今年9月末で発売終了することを発表しました。
大手鉄道会社では昨年12月に京阪電鉄が回数券(普通・時差・土休日割引)を発売終了しています。JRグループで追随する会社があるとすれば、Suica事業にご執心な東日本だと思っていたので、西日本が先手を打ったのには驚きました。
京阪ではICOCAによる「京阪電車ポイント還元サービス」を同時に開始しています。これは毎月1日~末日に同一運賃区間(区間は異なっても可)を11回以上利用すると、11回目以降の運賃合算額の10%が還元されるサービスです。
JR西日本の「ICOCAポイントサービス」の拡充は京阪と同様の同一運賃区間の利用回数によって付与される「利用回数ポイント」の還元率を10%から15%に上げるというものです。毎月1日~末日に11回以上という条件は京阪と同じです。
「ICOCAポイントサービス」の拡充と引き換えに普通回数券の発売が終了するのは上のエリア内で完結する区間です。エリア外や他社に跨がる場合や新幹線経由、学割・身障者用の回数券は引き続き発売されます。また、来年春に山陽線・南岩国~徳山間がICOCA利用可能エリアになる予定で、その際には同エリアでも普通回数券の発売が終了するとのことです。
今回発売終了対象となる区間の普通回数券を探してみました。あいにく、JR西日本営業エリアでの居住経験がないので、あまりありませんでした。この券は四国へのアプローチに岡山駅前の金券ショップで買ったものだと思います。
京阪・JR西日本両社のポイントサービスで共通して言えるのは、まずはICカードを利用し事前に会員登録することが大前提になります。その上で回数券は予め割り引いた状態で発売され3ヶ月の有効期間内に利用すればよかったのに対し、ポイントサービスでは1日~末日までの1ヶ月間で11回以上利用しないと1円も還元されないので、割引を受けるためのハードルが上がっています。週に何回も利用するようなヘビーユーザーにはいいかもしれませんが、3ヶ月かけてやっと1冊使い切っていたライトユーザーにとっては不利益変更でしかないです。
JR西日本では京阪神地区で発売していた「昼間特割きっぷ」(いわゆる「昼特きっぷ」)を縮小・値上げの末に2018(平成30)年9月末で発売終了しました。今回、普通回数券まで廃止されるとなると、きっぷで安く利用するという手段をほぼ封じ込められた感はあります。これも時代の流れと言ってしまえばそれまでなんでしょうが。