新えきねっとを利用してみた(序章)
昨年6月のプレスリリースで予告されていた通り、6月27日にJR東日本のインターネット予約サイト「えきねっと」が大幅リニューアルされました。使い勝手の向上を図るとともに、新たな機能追加や変更が実施されました。列車予約に絞って変更点をざっくりまとめると以下の通りです。
【良くなった点】
- クレジットカードを複数枚登録できるようにするとともに、新たにコンビニ払い、金融機関払い(ATM・ネットバンキング)、駅払いの支払手段が追加。
- 利用可能時間は5:00~23:50および0:10~1:50に拡大。(従来は5:30~23:40と0:20~1:40)
- 受け取り可能時間が5:00~23:30に拡大。(従来は5:30~23:00)
- 受け取り時にQRコードでも受け取れるようになり、申込者のクレジットカードなしでも受け取れるようになった。
- 「新幹線eチケットサービス」で往復割引・株主優待割引・大人の休日俱楽部割引に対応。
- 前日までに購入するタイプの一部トクトクきっぷ(今のところ「週末パス」と大人の休日俱楽部系のフリーきっぷのみ)に対応。
- 「サフィール踊り子」のプレミアムグリーン席が予約可能に。
【悪くなった点】
- 1日4件までしか予約できなくなった。
- クレジットカードの決済タイミングがきっぷ受け取り時から予約申し込み時に変更。
- 乗車券や自由席特急券をを乗車日までに取り消した場合は無手数料だったが、手数料が発生するようになった。また、受け取らなかった場合は無手数料で自動取消されていたが返金なしに。
- 回数券類と併用する指のみ券の申し込みが不可に。
- AM4時を跨ぐ経路の乗車券が買えなくなった。(サンライズは除く)
【可も不可もない変更点】
- 観光列車の予約が別メニューに独立。
- 事前予約の受付開始が1ヶ月+1週間前の朝5:30から14:00に変更。
- 料金券タイプのトクだ値はチケットレスに完全移行。
「えきねっと」リニューアル後のJR東日本のトップページはこのような感じで、「ストレスフリー」とまで言い切ってリニューアルに対し並々ならぬ自信を感じます。6月27日は旅先にいたので、スマホサイトからしか試せませんでした。今回改めてPCサイトで試してみます。
新えきねっとのトップページです。今までは指定券や乗車券などのメニューに分かれていましたが、経路検索がトップに表示されるようになりました。ただ、この画面の挙動が最初からちょっと変でした。
例えば、乗車駅に「横浜」と入力すると候補の駅名が表示されます。まず、横浜が一番上に表示されないのはいただけないです。さらに新横浜から陸奥横浜まではJRの駅ですが、あざみ野以下は横浜市営地下鉄の駅です。おそらく横浜という文字を含んで登録された駅を部分一致で全件表示させているんだと思いますが、「新幹線・JR特急列車を探す」という条件で検索しているので横浜市営地下鉄の駅は不要です。
そもそも横浜市営地下鉄はJRとの普通連絡運輸はないので連絡乗車券は買えません。なので、「えきねっと」で結果が検索されたところで経路検索以上の意味はなく、そういう部分は世間一般の検索サイトにお任せしていい部分です。
ちなみにJR西日本のe5489では前方一致で検索するので、この場合だと横浜しか候補に表示されません。また、e5489の取り扱い範囲外の駅は駅が存在していても候補には表示されないようになっています。
先ほどの画面で「横浜→熱海 7月3日 9:00発」で検索した結果です。上2つは同じ「踊り子3号」で、3番目は普通列車です。横浜出発が早い順ではなく、熱海到着が早い順に表示されています。
まず、2番目の列車についても空席状況を初期表示してほしいものです。あと、「新幹線・JR特急列車」を検索しているので、普通列車のみ行程の検索結果は不要です。せめて普通列車のみの行程は結果から除外する検索オプションが欲しいです。ちなみに普通列車のみの行程で「きっぷ・座席の種類選択へ進む」の青いボタンを押下すると乗車券のみ購入できます。
一番上の「踊り子3号(伊東)」を選択し、次の画面に進むとこんな感じになります。旧えきねっとでは決済の直前にならないと分からなかった金額がこの段階で分かります。これは大きな改善点です。「特急券の購入」で席種を選ぶと「乗車券の申込」に遷移します。特急券と同一区間の乗車券しか買えないのは相変わらずです。
列車選択後ログインし、座席位置を指定し、決済画面に進みます。 クレジットカードを選択した際に毎回セキュリティコードの入力が必要になりました。クレジットカードを登録する際にも入力しているのに、なぜ入力を毎回求められるのか不可解です。
ここまで使ってみて感じたのは、使い勝手が良くなった部分は確かにあるけど、よく分からない変更も増えたなという印象です。単純に特急券を予約するだけなら、特急列車だけの空席状況が一覧で表示される旧えきねっとの方が良かったぐらいです。
これは私の平日の経験でもあるんですが、えきねっとを改修するにあたって、システムを発注する側で何が必要な機能で何が不要な機能であるかの要件をきっちり整理できてなかったんじゃないかなと思います。
サイトの使い方はこれぐらいにして、きっぷがどう変化したかと言う本題に入ります。新えきねっと上でクレジットカード決済したきっぷをみどりの窓口で受け取ってきました。
まず、リニューアル前後でマルス端末の画面が異なるそうで、みどりの窓口で受け取る際には予約日(≠乗車日)が6月26日以前か、27日以降かを申し出る必要があります。それは指定席券売機で受け取る場合も同様で、このようにどちらか選択する必要があります。
みどりの窓口で受け取る際には決済に使用したクレジットカードか、予約に紐づいた数字17桁の「お受け取りコード」が必要になります。QRコードだけでは受け取れません。クレジットカードの場合はそのカードで決済した予約が受け取れ、「お受け取りコード」は紐づいた予約のみが受け取れます。数字17桁を間違いなく端末に入力するのはやりづらそうだったので、マルス端末にQRコードを読み取れる外付けのリーダーを付けられるといいと思うんですがね。
新旧えきねっとで予約した乗車券を比較してみます。新えきねっとで予約した乗車券は「新幹線eチケットサービス」と同様に発売箇所表記が2段になり、最下段に実発売箇所が表記されるようになりました。左下の「えきねっと発券」の部分はそのままです。
一点、大きく変わったなと思ったのは、これまではきっぷと一緒にカードの利用控が当たり前のように発券されていましたが、新えきねっとではそれが出なくなりました。また、領収書も新えきねっとのマイページからPDFファイルで出力する方式に変更されています。密かに券紙の節約にもなっています。
記事のタイトルにわざわざ(序章)と入れたとおり、これから株主優待やトクトクきっぷ、JREポイントとの連携したサービスなど、いろいろと新えきねっとの機能を試してみたいと思います。時には毒を吐くかもしれませんが、私自身も実は結構楽しみにしています。
【補足:2022/10/9】
当初設定されていた1日4件の予約制限は撤廃された模様です。