続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

のぞみ・みずほ加算料金値上げへ

 7月13日のJR西日本のプレスリリースで、来年4月から山陽新幹線区間において「のぞみ」「みずほ」の指定席・グリーン席利用時の加算料金を値上げすることが発表されました。東海道区間(東京~新大阪間)の変更はありません。

 「のぞみ」の加算料金は登場した30年前の1992(平成4)年から脈々と続いています。「のぞみ」は新型の300系を投入し、それまで速達タイプだった「ひかり」よりさらに速い列車ということで設定されたと認識しています。

 以下の表は「のぞみ」が山陽新幹線で運転されるようになった平成5年時点の加算料金です。

【平成5年の「のぞみ」加算料金】

  東京
品川
新横浜
名古屋 新大阪  岡山   広島 
新大阪   950円   450円
新神戸 1,150円   650円   300円   450円   750円
岡山 1,300円   800円   450円
広島 1,600円 1,100円 750円 450円
小倉 1,800円 1,300円 950円   750円   750円
博多 1,800円 1,300円   950円   850円   750円

 当時の「のぞみ」はこれだけの加算料金がかかる上に全車指定席で割高だったので、ビジネス客が主な客層でした。また、しばらくは指定席用の新幹線回数券での利用もできませんでした。

 2003(平成15)年10月のダイヤ改正で「のぞみ」が大増発され、東海道山陽新幹線の主役が「ひかり」から「のぞみ」に変わった際に加算料金は大幅に値下げされると同時に、「のぞみ」にも自由席が設定されました。それ以降20年近く消費税改定を除いては当時の料金水準を維持してきました。また、2011(平成23)年に九州新幹線直通の速達タイプの「みずほ」が登場すると、同じ加算料金が設定されました。

 2003年水準からほぼ変わらない現行料金と来年4月の値上げ後の加算料金は以下の通りになります。

上段:現行料金
中段:新料金
下段:差額 
東京
品川
新横浜
名古屋 新大阪 岡山 広島
新大阪 320円
320円
0円
210円
210円
0円
新神戸 430円
540円
+110円
320円
430円
+110円
210円
320円
+110円
210円
320円
+110円
210円
530円
+320円
岡山 530円
640円
+110円
420円
530円
+110円
210円
320円
+110円
広島 530円
850円
+320円
420円
740円
+320円
210円
530円
+320円
210円
320円
+110円
小倉 640円
1,060円
+420円
530円
950円
+420円
320円
740円
+420円
210円
530円
+320円
210円
530円
+320円
博多 640円
1,060円
+420円
530円
950円
+420円
320円
740円
+420円
320円
740円
+420円
210円
530円
+320円

 値上げ幅は110円から420円で、上限認可の範囲内での値上げだそうです。首都圏~九州間の利用をする身としては、この区間の加算料金が再び1,000円を超えたというのはちょっと思うところがありますが、2003年以前のことを思うとまだまだ安いです。

加算料金:950円

加算料金:1,840円

加算料金:310円

加算料金:520円

 加算料金はきっぷの券面に明示されていませんが、「のぞみ」「みずほ」の指定席やグリーン席のきっぷにN05390やN06900という数字が印字されていて、Nを取った数字の部分が加算料金なしの特急料金です。なので発売額からこの額を引くと自ずと加算料金が分かります。

 JR西日本は今回の値上げについて「コロナ禍の社会変容を踏まえ山陽新幹線のさらなるサービス改善を図るため」としています。N700Sの追加投入などの今後の設備投資を前面に出していますが、コロナ禍での減収の補填の意味合いの方が強いと感じます。まぁコロナを前面に出されてしまうと利用者としても仕方ないのかなと納得せざるを得ませんが、仮にコロナ禍が終息しても加算料金は元に戻らないでしょうね。

 なお、「EX予約」やe5489の「eきっぷ」は今回の加算料金値上げに伴う発売額の変更はないとのことです(定価より200円引きの「スマートEX」は上がると思われます)。少しでも安く利用したければ、どんどんネット予約を使えというメッセージを含んでいるのかもしれません。