山陰（嵯峨野）線・嵯峨嵐山駅は嵯峨野・嵐山観光のJR側の玄関口の駅です。隣接して嵯峨野観光鉄道のトロッコ嵯峨駅がありますが、嵯峨野・嵐山観光の中心地的存在の渡月橋から離れているので、嵐電や阪急の嵐山駅と比べて観光客の利用はそれほど多くないと記憶していました。
実際に2010年度あたりまでは1日の乗車人員が5,000人前後の横ばいで推移していたんですが、2011年度以降毎年増えてコロナ禍前の2019年度は8,426人にまで急増しています。2010年の複線化完成による利便性の向上と観光客の増加が重なったのが原因と見られます。
ここ数年実感としても嵯峨野線を利用する観光客が増えていたのはありました。休日の京都駅の嵯峨野線のホームは構造上の問題もあって慢性的に混雑していました。しかもコロナ禍が明けて海外からの観光客が続々と戻ってきているのに、ＪＲ西日本は減車・減便を継続している影響もあって多くの積み残しも発生していました。混雑を問題視する報道もたびたび出ていました。
そんな中、ＪＲ西日本は昨年9月21日に「嵯峨野線混雑緩和に向けて」というプレスリリースを出しました。それによると10月～12月は嵯峨野線快速・普通列車の増結を実施するとともに休日は臨時列車も追加で運転し、さらに10月21日～12月10日の土休日に嵯峨嵐山駅へ特急列車の一部臨時停車させることで混雑緩和を図るとのことでした。
嵯峨嵐山駅へ臨時停車していた特急列車は以下の7本でした。
【下り】
| 始発駅 | 嵯峨嵐山着 | 終着駅 | |
|---|---|---|---|
| きのさき3号 | 京都（09:25） | 09:35着 | 福知山（10:40） |
| まいづる3号 はしだて3号 |
京都（10:25） | 10:35着 | 東舞鶴（12:01） 天橋立（12:35） |
| きのさき5号 | 京都（11:25） | 11:35着 | 城崎温泉（13:49） |
【上り】
| 始発駅 | 嵯峨嵐山発 | 終着駅 | |
|---|---|---|---|
| きのさき16号 | 城崎温泉（12:31） | 14:56発 | 京都（15:06） |
| まいづる10号 はしだて4号 |
東舞鶴（14:28） 天橋立（13:47） |
15:56発 | 京都（16:06） |
| きのさき18号 | 城崎温泉（14:35） | 16:56発 | 京都（17:06） |
| まいづる12号 はしだて6号 |
東舞鶴（16:26） 天橋立（15:51） |
17:57発 | 京都（18:07） |
京都～嵯峨嵐山間の利用を主眼としているようで、京都駅から嵐山観光に便利なダイヤに設定されています。
嵯峨野線の特急列車は全車指定席化されており、京都～嵯峨嵐山間の特急料金は1,290円もします。嵯峨嵐山停車日には嵯峨嵐山発着の「J-WESTチケットレス」が設定され、同区間の特急料金は600円にまで安くなりました。
私が利用した嵯峨嵐山発の特急券です。「WESTERポイントチケットレス」を利用しています。嵯峨嵐山から乗車した人は2～3人でした。降りた人も10人程度で誤乗なのかレールパスでちゃんと指定を取ったのか分かりませんがいずれも外国人っぽい感じでした。
個人的には普通列車でも20分しないような区間を最低600円はかかる特急料金を払ってまで混雑を避けて10分で来たい人がどれだけいるのかなと感じていましたが、想像したとおりの結果でした。
昨年12月21日に今年1月から3月15日までの嵯峨野線混雑対策の概要が発表されていました。快速・普通列車の増結や休日の臨時列車運行の継続が盛り込まれていましたが、特急の嵯峨嵐山駅臨時停車は取りやめになりました。3月のダイヤ改正では京都～嵯峨嵐山間の普通列車を増発する予定だそうです。
