続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

はやて544号

はやて544号

◆種別:新幹線

◆区間:新函館北斗→東京

 今年1月2日の羽田空港でのJAL機と海上保安庁機との衝突炎上事故の影響で、事故があった滑走路(C滑走路)が使えなくなりました。ただでさえ過密状態の羽田空港で4本あるうちの1本の滑走路が使えなくなったため、同日事故発生以降の羽田空港発着便に欠航が相次ぎました。

 年始のUターンラッシュと重なったため、航空会社は成田発着の臨時便を設定して対応しました。JR各社も救済として各地から東京へ向かう臨時の新幹線を設定しました。

 東北・北海道新幹線では事故翌日の1月3日から年始の3連休が終わる8日まで新函館北斗~東京間に臨時の「はやて」を運転しました。現在、新函館北斗発の定期の「はやて」は盛岡行の98号と新青森行の100号がありますが、新函館北斗発東京行の設定は初めてだと思います。

 臨時「はやて」のダイヤは以下の通りでした。

停車駅 はやて
546号
はやて
544号
新函館北斗  19:04発 18:14発
新青森 20:12発 19:16発
盛岡  21:04発 20:14発
仙台  21:43発 21:04発
大宮  23:08着 22:15着
上野 23:31着 22:34着
東京 23:36着 22:40着
運転日 1月3・4日 1月5~8日

 停車駅はここに記載しただけです。最速達タイプの「はやぶさ」とほぼ変わらない停車駅ですが、いずれも所要時間は4時間を大きく超えています。

 「はやて546号」は定期の新函館北斗発東京行き最終の「はやぶさ48号」(18:40発)の後に設定されました。3日と4日でダイヤが若干異なったようで、こちらのダイヤは3日のものを記載しています。

 「はやて544号」は「はやて546号」から50分繰り上げされ「はやぶさ48号」の前に設定されました。「はやて544号」の新青森~東京間のダイヤは臨時の「はやぶさ66号」から八戸・二戸を通過させたものとほぼ同じで、「はやて546号」より東京駅に着く時間が約1時間早まりました。

はやて544号発車案内:新函館北斗駅 2024/1/7

 臨時「はやて」は普通車は全車自由席で、グリーン席・グランクラスは駅での発売はなく車内での発売という異例の扱いでした。おそらく多くの人が利用できるように普通車は全車自由席とし、自由席特急券では「はやぶさ」の加算料金が徴収できないため、あえて「はやて」にしたんだと思います。東京発着の「はやて」に自由席が設定されたのは私が知る限り初めてです。

北海道新幹線初の自由席特急券

 この臨時「はやて」の設定を受けて発売された自由席特急券です。同日同区間の指定席特急券と比べて指定料金530円(通常期)+はやぶさ加算料金520円=1,050円安上がりになっています。

 新函館北斗を発車する新幹線は全車指定席で、自由席代わりに空席を利用する場合は特定特急券(立席)を発売するので、自由席特急券を発券することは通常ありません。北海道新幹線では初めて自由席特急券が発売されたと思います。

 突発的に設定されたせいで「えきねっと」でも指定席券売機でも列車を検索しても検索結果に表示されず、自由席特急券が買えませんでした。そのためみどりの窓口で買ったんですが、五稜郭駅の若い駅員は通達の紙を見てそれほど困ることなくすぐに発券してくれました。

はやて544号(手前):新函館北斗駅 2024/1/7

はやて544号自由席の表示(車内) 2024/1/7

「はやて544 東京 自由席」の表示(車外) 2024/1/7

 列車は普通にE5系でした。「はやて」の自由席という珍しい表記も見られました。

 前後の定期列車の指定席がいずれも満席だったので、混みあうかと思っていました。私が乗車した車両は15人ほどの乗客で新函館北斗を発車し、途中新青森と盛岡で数人ずつ乗ってきた程度でガラガラの状態で東京に到着しました。4人で10席広々と使っていた外国人観光客もいました。

 羽田空港の事故が2日夜だったにも関わらず、3日昼過ぎにはUターンラッシュのピーク日で運転本数が多いさなかに「はやて546号」の運転を決定しています。私が乗車した日はガラガラでしたが、空路の緊急事態に鉄道で補完するという連係プレーが機能した好例だと思います。

 なお、事故で使用できなかった羽田空港のC滑走路は8日に復旧し運用を再開しています。「はやて544号」の運転も8日で終了しています。趣味的には北海道新幹線の自由席特急券は1月3日~8日の6日間だけ発売されたレアアイテムということになります。