ときわ
◆種別:特急
◆区間:品川・上野~土浦・勝田・高萩・いわき(1日22.5往復)
今年3月のダイヤ改正で常磐線特急を再編し「スーパーひたち」を「ひたち」に「フレッシュひたち」を「ときわ」としました。それと同時に普通車を全車指定席化し「新たな着席サービス」を開始しました。

「ひたち」は平成10年12月まで運転されていた常磐線特急の愛称で、「ときわ」は上野~仙台間を常磐線経由で結び昭和60年3月に廃止された急行列車の愛称です。「ひたち」は16年ぶり、「ときわ」は30年ぶりに列車の愛称として復活したことになります。
「ときわ」=常磐であるとすれば常磐という地名は福島県いわき市南部を示します。いわき市ができる前は「常磐(じょうばん)市」という市があったぐらいです。なので、全列車いわき発着になる「スーパーひたち」こそ「ときわ」にふさわしいのではと思いましたが、列車の格を重んじて速達型を「ひたち」、停車駅が多いタイプを「ときわ」としたのでしょう。

あと、特筆すべきは上野東京ライン開業に伴い日中の一部列車を品川発着としたことです。これで常磐線沿線から東海道方面へのアクセスが劇的に改善しました。長らく東海道ユーザーだった私からすると、品川駅から取手行きの快速列車や勝田行きの特急列車が当たり前のように発車していく光景は一昔前までは考えられないものです。

品川発着ではないですが、「ときわ」の指定券です。これまでよほど長い列車名でない限り、列車名と号数の間にスペースがあるのが普通でしたが、この列車ではスペースが詰められています。今年3月のダイヤ改正で登場し、号数が2ケタか3ケタの列車では詰められているものが多いようです。
ここで上野駅を起点として従来の特急料金(旧)と「新たな着席サービス」(新)の特急料金を比較してみます。(新)には自由席がなく、車内で車掌から購入した場合は駅で事前に購入した場合の料金に260円加算されます。
上野発着の特急料金の比較
| 石岡 | 水戸・勝田 | 日立 | 泉 | いわき | |
|---|---|---|---|---|---|
| (旧)自由席 | 930円 | 1,340円 | 1,830円 | 2,160円 | 2,380円 |
| (旧)指定席 | 1,450円 | 1,860円 | 2,350円 | 2,680円 | 2,900円 |
| (旧)グリーン席 | 1,960円 | 3,400円 | 3,890円 | 4,220円 | 5,470円 |
| (新)指定席・事前 | 1,000円 | 1,550円 | 1,550円 | 2,200円 | 2,500円 |
| (新)グリーン席 | 1,510円 | 3,090円 | 3,090円 | 3,740円 | 5,070円 |
(新)指定席は(旧)自由席と(旧)指定席の間の絶妙な価格帯となっています。なので、自由席のユーザーに対しては概ね値上げになっています。(旧)自由席から(新)指定席への値上げ幅が一番大きいのは上野~水戸・勝田です。この区間はボリュームゾーンでもあるので、値上げの効果が最も大きいところです。
私は割と指定席を利用することが多かったので「新たな着席サービス」はすんなり受け入れられました。自由席を利用していた人にとっては値上げされた上に面倒な事前の座席指定が必要になりました。座席を指定しない「座席未指定券」で空いている座席を利用することもできますが、途中からその席の主が現れたら明け渡さなければなりません。
また、全車指定席化に伴い特急定期券が廃止され、定期券専用の特急料金回数券に移行しました。特急回数券でも乗る都度座席を指定しなければならないので、不満そうな顔をしながら指定席券売機で1週間分の指定を仕込んでいたオッサンもいました。特急定期券ユーザーや自由席のヘビーユーザーだった人にとってはちっともいいことがないかもしれません。
4月に入ってダイヤ改正後の常磐線特急列車の利用実績が発表されました。それによると利用客数は改正前と比べてほぼ横ばいとのことでした。既存の常磐線特急利用客にとっては東京・品川に直通でき便利になりましたが、それが利用客増に結びついていないというちょっと意外な結果になりました。
私は新規の利用客が多少は増えたものの、旧来の特急自由席の利用客が値上げや煩雑さを嫌って普通列車や高速バスに流れ、結果的にプラマイゼロになったのではないかと推測しています。また、「新たな着席サービス」の実施に伴い、常磐線特急が利用できるトクトクきっぷを全廃した影響も皆無ではないように思います。これから料金施策に何か動きがあるかどうか注目しています。