昨年7月5日の九州北部豪雨の影響で、久大本線の光岡~日田間の花月川にかかる鉄橋が流され、不通となりました。この辺りはたびたび豪雨に見舞われ、平成24年にも不通になっています。
久大本線経由で博多と由布院・別府を結ぶ特急「ゆふいんの森」はしばらく運休となりましたが、夏の観光シーズンを前にして7月15日より小倉周り日豊線経由で2往復運転されました。
ここ数年、由布院は外国人観光客で賑わっています。由布院駅に降り立つと外国人だらけで外国に来たような錯覚に陥るほどです。「ゆふいんの森」は外国人観光客にも浸透しているようで、わざわざ乗りに来てるっぽい人がいっぱいいます。なので、長期間運休にするよりは多少遠回りで不便な小倉周りででも運転したほうが得策と考えたのでしょう。
【平成29年7月15日~31日】
博多 小倉 大分 由布院
91号 8:45 → 10:30 → 12:45 → 13:35 キハ71系
93号 11:00 → 12:17 → 14:55 → 15:45 キハ72系
92号 20:34 ← 18:52 ← 15:35 ← 14:45 キハ71系
94号 21:35 ← 20:30 ← 18:18 ← 17:06 キハ72系
博多~由布院間の所要時間は4時間29分~5時間49分と大幅に延びています。乗ることが目的の観光列車とはいえ、さすがに長すぎました。8月の運転から92号の由布院発車時刻が33分繰り下がり、所要時間が若干短縮されました。
ちなみに博多~小倉間は在来線の特急列車であれば40~50分程度です。91・92号に至ってはもともと混雑していたダイヤの合間に足の遅いキハ71系を無理やりねじ込んだので、この区間だけで1時間以上余分にかかっています。
途中停車駅は小倉・別府・大分の3駅だけで、特急「ソニック」が全列車停車する折尾・黒崎・行橋・中津すら停車しませんでした。
今年3月のダイヤ改正では さらに修正が加わり、3時間44分~4時間43分にまで短縮しました。
【平成30年3月ダイヤ改正】
博多 小倉 大分 由布院
91号 9:38 → 10:30 → 12:25 → 13:22 キハ72系
93号 10:21 → 11:31 → 13:46 → 14:50 キハ71系
92号 18:23 ← 17:27 ← 15:33 ← 14:45 キハ72系
94号 21:04 ← 19:33 ← 17:13 ← 16:21 キハ71系
改正までは毎日2往復運転していましたが、足の遅いキハ71系を使用する93・94号については土休日を中心とした運転になりました。
私は九州滞在時は嫁実家のある北九州を拠点にしているので、博多~由布院間を通しで乗るのは躊躇しましたが、乗車区間を小倉で切って2回に分けて迂回「ゆふいんの森」に乗ってきました。
博多~由布院で乗ってしまうと、きっぷからは迂回かどうかは発着時刻を見ないと分かりませんが、こうして小倉を絡めることで迂回であるのが分かります。また、上の94号の指定券には門司車掌区のチケッターが入っています。門司車掌区は通常は「ゆふいんの森」には乗務しませんから、イレギュラーの記録としては面白いものだなと思います。
実際に乗っていて意外に思ったのが、小倉~大分・由布院間の乗客が多かったことです。本州方面から「ゆふいんの森」に乗る場合、本来であれば博多や久留米まで行く必要がありますが、迂回列車だと小倉から乗れるので、かえって便利だったことに気づきました。小倉発着の「ゆふいんの森」があってもいいのかなと感じました。
その後、今年7月14日に不通となっていた区間が復旧し、「ゆふいんの森」は1年ぶりに通常ルートに戻り、迂回運転は終了しました。