今年2月にJR九州でQRコードおよびクレジットカード決済に対応した近距離券売機が登場しました。どこの会社のどういう機種かまでは把握していないんですが、少なくともJRグループでQRコード決済に対応した券売機は初めてです。
こちらが熊本駅に設置された現物です。右下の硬貨投入口の下にQRコード読み取り部があります。QRコード決済の他に現金・交通系ICカード・クレジットカード決済にも対応しています。熊本駅のこの券売機で発売しているものは以下の通りでした。
- 100Km以内の近距離乗車券
- 九州内の特急・新幹線の乗車券および自由席特急券
- 肥薩おれんじ鉄道連絡券
- 2枚きっぷ
- SUGOCA
- 定期券
- 入場券
ただし、定期券の購入については交通系ICカードとQRコード決済は不可になっていました。
金額ボタンを押すとこのような決済手段を選択する画面が表示されます。QRコード決済といっても何に対応しているか分からないんですが、駅の掲示やHPにも記載がありません。PayPayと楽天Payは対応していることは確認しました。せっかくJRグループで初めてQRコード決済に対応したんですから、どのコード決済に対応したかは分かりやすく記載しておくべきです。(下記補足参照)
券売機が空いている時間を見計らって4つの決済手段を実際に使ってみて、券面と領収書がどんな感じになるのか試してみました。
①現金払い
実際に現金払いする人が一番多かったわけですが、金額ボタンを押した後に決済手段を選択する画面が現れて固まっている人が結構いました。今まではお金を投入するだけでしたからね。
小児の入場券を購入しました。きっぷのフォントは若干特徴がありますが、きっぷ・領収書ともども目新しさはありません。
②交通系ICカード決済
これまでの多機能券売機でも対応していましたが、交通系ICカードはそのまま自動改札で使えるので、わざわざ券売機できっぷを買う人は少ない感はします。
こちらも小児の入場券で済ませました。きっぷの右下に白抜きのICという小さな印字があるのは他の券売機と同様です。領収書は現金決済のものとほぼ同じで「支払」の部分だけが異なります。
③クレジットカード決済
JR他社の近距離券売機でも定期券に限ってはクレジットカード決済ができる端末はありますが、きっぷまで購入できるのはこの券売機が初めてです。
小児の入場券と使用予定の往復乗車券を購入しました。白囲みの「九券C」という初めて見る印字があります。入場券と往復乗車券で印字位置が異なるのが興味深いです。
クレジットカードの利用明細が問答無用で吐き出され、領収書の「支払」は「クレジット」で、現金で払い戻しをしない旨は利用明細の方に記載されています。
④QRコード決済
お待ちかねのQRコード決済です。③と同様に小児の入場券と使用予定の往復乗車券を購入しました。
白抜きで「CODE」というこちらも初めて見る印字があります。てっきり「QR」にでもなると思っていたので意表を突かれた感です。
領収書の「支払」の記載は「コード決済」となっていて、どのQRコード決済を使ったかまでは分かりません。あと、払い戻しの時の取り扱いの記載がないんですが、実際どういう取り扱いになるのか少々気になります。
新聞報道によるとこの券売機は旧型機の置き換えのタイミングで投入し2023年度末で34台、2025年度末に100台投入する予定で、一年で3~40台ペースでの置き換えを想定しているようです。キャッシュレス対応を進めることで利便性向上や窓口混雑の緩和を図っていくようですが、他社にも広がるかどうか注目しています。
【補足:2024/8/15】
この券売機で対応しているQRコード決済ですが、PayPayと楽天Payに加えてd払い、auPAY、スマートコード決済にも対応していることを確認しました。