続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

秋田港

 最近、地方の港で内外のクルーズ船の寄港が増えているようです。クルーズ船で朝到着して半日~1日停泊し、乗客はその間バスで市内へ行き観光や買い物を楽しみ、夜には出港するというパターンが多いです。市内にお金が落ちて地域活性化につながるため、積極的に誘致を働きかけている自治体もあります。

 秋田港もその例外ではなく、今年は23隻の寄港予定があるようです。クルーズ船は乗客数が多いため、全員をバスで運ぼうとすると多くの台数のバスが必要になります。そこで、昨年からJR東日本は第二種鉄道事業者としてJR貨物から線路を借り、クルーズ船寄港日に秋田港~秋田間でクルーズ列車を走らせています。

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秋田港駅の位置関係

 秋田港駅は奥羽線・土崎駅から分岐する奥羽線の貨物支線の駅です。土崎駅から直線距離で1Km弱、線路では1.8Kmです。秋田港駅からはクルーズ船の乗り場までは600mで徒歩15分、秋田港~秋田間の列車での所要時間は15~20分ほどです。


 昨年7月28・29日に秋田港で「マリンフェスティバル2018」というイベントがありました。それに伴って、秋田~秋田港間のクルーズ列車に乗車するというパックツアーが発売されました。クルーズ船の乗客以外に開放されたのはおそらく初めてのことでした。

 両日とも往路の秋田港発の列車を指定して、復路は指定はなく自由に戻るものでした。秋田港と秋田駅の駅ナカのそれぞれ500円の利用券が付いて大人1,400円という、利益が出ていないんじゃないかと思わせるような価格設定でした。

 このパックツアーは秋田支社管内の「びゅうプラザ」店頭か仙台のびゅう予約センターでの電話受付での申し込みでした。遠方の私は必然的に後者になるんですが、申し込みが殺到して電話がまったく繋がりませんでした。結局、受付開始日には繋がらず、電話が繋がって申し込みができたのは翌日昼前のことでした。これほど電話が繋がらなかったのは初めてです。今年も発売するのであれば売り方はもう少し工夫してほしいものです。

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 そして、後日乗車票とバウチャー券が送られてきました。乗車票の区間は秋田~土崎になっています。秋田~秋田港になれば趣味的に熱かったんですが仕方ないですね。

 また、往路は乗車列車を指定する必要があったため、朝一番の1号を選択しました。往路片には「10:01発のマリンフェスティバル1号へご乗車ください」の記載があります。列車の指定のみで座席の指定はありませんでした。

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マリンフェスティバル1号と発車標:秋田駅 2018/7/28

 私が乗車した「マリンフェスティバル1号」はクルーズ列車向けに改造された「あきたクルーズ」が投入されました。この車両にどこか既視感があるかと思いますが、先代の「リゾートしらかみ橅(ぶな)」を転用したものです。

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秋田港駅に到着したマリンフェスティバル1号 2018/7/28

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秋田港駅駅名標 2018/7/28

 秋田港駅は駅舎はなかったものの、1面1線の真新しいホームがありました。そして、同じく真新しい駅名標があったのが驚きでした。

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マリンフェスティバル10号:秋田港駅 2018/7/28

 私が秋田にいた7月28日の夜はマリンフェスティバルの花火大会がありました。そのため、復路の10・12号は花火終了後の設定でした。花火大会で混み合うことを見越して、収容力が大きく乗り降りしやすい男鹿線用のキハ40・48の4両編成が充当されました。

 ところが、実際は見てのとおり花火終了後の秋田港駅付近は閑散としていました。おそらくこのツアーを申し込んだのはほとんどが秋田港線を乗る目的で来た鉄ヲタで、夜の花火には興味がなかったんだと思います。10号で居合わせたフォロワーさんと顔を見合わせていました。


 平成16年のことになりますが、今年正式に廃止された貨物線の敦賀港線を利用してSL列車が走ったことがありました。

 たった3日間の営業でしたが、営業キロが設定されて敦賀港発着の乗車券も発売していました。実際はSLが全車指定席だったため、指定券がないと乗れませんでしたが、今回の秋田港のような自由席のみの列車であれば乗車券で利用できることになります。

 今回はパックツアー専用としてしまったため、乗車券の発売がなく一般客の利用ができませんでした。日中のマリンフェスティバルや夜の花火大会帰りにも、列車が使えれば乗りたかった人もいたんじゃないのかな?と思いました。今年すぐにどうこうできる問題ではないのは承知していますが、長期的な課題として乗車券だけでも乗車できるよう検討していただきたいものです。