続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

鳴門駅のみどりの券売機プラス

鳴門駅のみどりの券売機プラス

 5月末で鳴門線・鳴門駅のみどりの窓口が閉鎖され「みどりの券売機プラス」に置き換えられました。鳴門駅はJR四国管内の特急列車が停車しない駅で唯一みどりの窓口が設置されていました。

 流れてきた労組の資料によると、鳴門駅が閉鎖の対象になったのは単純に売り上げが少なかったためだそうです。特急列車の発着がないことに加え、神戸淡路鳴門自動車道や高松自動車道が市内を通っていて関西や高松方面への車でのアクセスが便利なことから、そちら方面への長距離券の売り上げが少なかったのも一因ではないかと思います。

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鳴門駅みどりの窓口 2021/5/15

 閉鎖の2か月半も前の3月15日から「みどりの券売機プラス」が設置されています。他社では有人窓口の閉鎖の翌日から券売機に切り替える形がほとんどですが、こうして並行期間がある方が親切だと思います。

 6月からは「みどりの券売機プラス」のみとなることから、鳴門駅での「とくしまプレミアム交通券」の取り扱いは5月末で終了するとのことでした。(キャンペーンが再開されれば)地域共通クーポンで決済する「Go To Travelキャンペーン企画割引乗車券」についても同様と思われます。 

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 みどりの窓口と「みどりの券売機プラス」の両方できっぷを購入しました。発売箇所表記はマルスは「鳴門駅M」で「みどりの券売機プラス」は「鳴門駅MVA」という表記でした。JR四国のMR52型マルス設置駅の発売箇所表記は駅によって「〇〇駅M」「〇〇駅M51」「〇〇駅MR52」という具合にまちまちで、それはそれで面白いと思っています。

 ところで、鳴門駅の「みどりの券売機プラス」の導入を知らせる掲示の中で気になる記載を見つけました。 

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鳴門駅の掲示 2021/5/15

 トクトクきっぷを買う場合、利用客の方からどのきっぷを買うか申告がない場合は正規運賃・料金で発券すると言っています。窓口の係員だったら利用客とのやり取りの中で「それでしたら〇〇きっぷの方が安いですよ」というような提案ができますが、「みどりの券売機プラス」では公平性(?)の観点からそれを一切しないと宣言しているのです。

 「公平に」と言いますが、同じ効力のきっぷを買うのに販売体制の違いによって、徳島駅のみどりの窓口ではトクトクきっぷを勧めてもらえたけど、鳴門駅の「みどりの券売機プラス」では正規運賃・料金で買わされたとなると、それこそ不公平ではないんでしょうか?これは利便性の低下でしかないですし、自社の都合を利用者に押し付けています。不慣れな人に対して障壁を作っているようなものです。これは絶対にダメです。

 鳴門駅の「みどりの券売機プラス」の導入にあたっては徳島県の「新しい生活様式を支える『公共交通応援事業』奨励金」という補助金を活用しています。徳島県のHPにはこのような記載があります。

本事業は,新型コロナウイルス感染拡大による移動自粛で事業経営に大きな影響が生じている鉄道事業者等に対し,新しい生活様式を支える,安全・安心や利便性の向上に資する取組みに奨励金を支援し,公共交通の維持・確保を図ります。

 券売機を導入し非接触となることで安心・安全という面はクリアしたのかもしれませんが、相談機能が失われることで利便性は低下しており、補助金の趣旨と合いません。

 昨年「みどりの券売機プラス」が導入された詫間・善通寺の両駅にも同様の旨の貼り紙がありました。JR西日本ではこんな貼り紙見たことないので、JR四国がオペレーター業務をJR西日本の子会社に委託しているのが原因と思われます。

 まだ初期段階なのでしょうがないかもしれませんが、10月には「みどりの券売機プラス」設置駅をさらに増やすとのことですから、コールセンターや回線のインフラは引き続きJR西日本の間借りをするにしても、オペレーターはできるだけ早く自社要員に移行すべきです。 

 余談ですが、5月24日の日経ビジネスの記事(一部有料記事)によると、今年4月1日現在のみどりの券売機プラス導入駅は152駅で、兵庫県尼崎市にあるコールセンターへの1日のコール数は約1600件だそうです。1駅あたりでは1日約10件になります。それを駅窓口業務経験のある60人のオペレーターが交代で回し、通常時は18卓稼働で一人で3~4駅を対応しているとのことです。

 7月現在でJR四国の「みどりの券売機プラス」導入駅は5駅です。そのうち今治駅はみどりの窓口と併用なので、実質は4駅です。一人で3~4駅を対応しているならば、通常時のJR四国担当のオペレーターはおそらく1人です。導入駅が今の倍になったとしても、交代要員を含め6~7人いれば回せると思います。