続・吾輩はヲタである

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山形新幹線全車指定席化へ

山形新幹線全車指定席化へ

 JR東日本は11月16日のプレスリリースで、来年春に山形新幹線を全車指定席化し、秋田新幹線とともに特急料金を改定することを発表しました。

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E8系イメージ (JR東日本HPより引用)

 山形新幹線は2024年春に現行のE3系置き換え用に新型車両E8系を投入する予定です。特急料金の営業制度を変えてくるとしたらE8系が出揃うタイミングかと思いましたが、そこまで待てなかったようです。

 山形新幹線に関連する変更は以下の通りです。

  • 普通車は自由席をなくし全車指定席化。座席を指定しない特定特急券を発売。(現行の秋田新幹線と同じ)
  • 福島~新庄間(以下「在来線区間」)の特急料金の改定。

 コロナ禍前は休日の山形新幹線の自由席は混雑していてデッキまで人が溢れていたことも珍しくなかったので、全車指定席化して着席機会を増やすという考え方はまぁありだと思います。

 山形新幹線はもともと在来線特急が走っていた区間をフル規格化して新幹線を直通させているので、新幹線を利用し福島駅で乗り継ぐ場合(直通利用も含む)の特急料金の計算方法が特殊です。新幹線の特急料金に「幹在特」と言われる在来線部分が割引された以下の表の料金を加算します。指定席は通常期の料金です。

福島から  50Km以内  100Km以内 150Km以内
米沢・高畠 赤湯~山形 天童~新庄
自由席 530円 850円 1,300円
指定席 910円 1,230円 1,680円

 「幹在特」は在来線のA特急料金の3割引なので、通常530円である座席指定料金が「幹在特」では380円になっています。また、繁忙期・閑散期の変動額は200円ではなく140円です。福島~山形間の繁忙期の指定席特急料金は1,370円で、閑散期は1,090円になります。

 新しい特急料金は以下のようになります。プレスリリースでは「幹在特」という用語は使わず「新特急料金」と記載されています。

福島から  50Km以内  100Km以内 150Km以内
米沢・高畠 赤湯~山形 天童~新庄
現・自由席 530円 850円 1,300円
現・指定席 910円 1,230円 1,680円
新・指定席 760円 1,130円 1,580円
自由席との差額 +230円 +280円 +280円
指定席との差額 -150円 -100円 -100円

 現行の指定席との比較では値下げされ、自由席との比較では値上げされるいつものパターンです。

 在来線区間で完結する場合は現行はA特急料金を適用していますが、新特急料金では異なる料金体系となります。

   50Km以内  100Km以内 150Km以内
現行料金
(A特急料金)
自由席 760円 1,200円 1,860円
指定席 1,290円 1,730円 2,390円
新特急料金 特定特急券 760円 1,130円 1,580円
指定席 1,290円 1,660円 2,110円

 自由席はなくなりますが、指定席の空席が利用できる特定特急券が発売されます。特定特急券の料金は福島駅で新幹線と接続する際の「新・指定席」の料金(上の表の黄色の網掛け部分)と同額です。

 結局のところ、特急料金はトータルでどうなるかというのをまとめたのが以下の表です。

  東京~米沢 東京~山形 東京~新庄 福島~山形
現行料金 自由席 4,270円 4,590円 5,040円 1,200円
指定席 5,180円 5,500円 5,950円 1,730円
新料金 自由席/特定 4,500円
(+230円)
4,870円
(+280円)
5,320円
(+280円)
1,130円
(-70円)
指定席 5,030円
(-150円)
5,400円
(-100円)
5,850円
(-100円)
1,660円
(-70円)

 ピンクに網掛けした部分は東京~福島間は「やまびこ」の自由席で、福島から先は「つばさ」の特定特急券を利用する場合です。満席でそうせざるを得ない場合以外は現実的ではありませんが、料金の比較として載せておきます。

 こうして比べてみると、新幹線と通しの自由席利用だけが値上げになっていて、その層を標的にした感は見て取れます。また、自由席(特定特急券)と指定席の価格差が一律530円になっています。

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新幹線と通しの自由席特急券

 今回の特急料金改定で姿を消すであろう新幹線と通しの自由席特急券です。特急料金の在来線区間とフル規格区間の内訳と、在来線部分の特急料金に割引が適用されているため金額の下に「幹在特」と大きめに印字されているのが特徴です。プレスリリースでは改定後の特急料金に「幹在特」という用語を使っていないので、この印字は変わるかなくなるような気がします。

 また、仮に特急料金改定後に一番下の表のピンクに網掛けした部分のような使い方をする場合は、今のように1枚にはならず、新幹線の自由席特急券と新特急料金の特定特急券の2枚になるように思われます。

 個人の趣味的にはこのきっぷの現行機種のPOS券を持っていないので、なくなる前に押さえておきたいところです。