続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

谷川岳山開き号'21

 先日、JRグループの夏(7月~9月)の臨時列車の概要が発表されました。JR東日本では「のってたのしい列車」やSL列車、イベントやキャンペーンに合わせた臨時列車を1700本余り運転します。

 その中で個人的に目を引いたのは昨年まで快速列車で運転されていた「谷川岳山開き号」の車両がE257系に変更された上で特急化されることです。

 快速「谷川岳山開き」号は毎年7月2日の「谷川岳の日」に合わせて上野~土合間で運転されている臨時列車です。登山客向けの列車なので往路は夜行列車で、復路は昼行列車という珍しい運転形態です。車両は183系や185系だったので、鉄ヲタ率も高い列車でした。

 運転開始は2011(平成23)年からで、新型コロナ禍の2020年は運休となりましたが、谷川岳山開きのイベントの一つとしてすっかり定着した感はあります。


 昨年、どこで調べたか知りませんが甥1がこの列車に乗りたいと言い出しました。185系に乗りたかったんだそうです。185系なんて昨年3月のダイヤ改正前までは特急「踊り子」で好きなだけ乗れたのにもっと早く言って欲しかった感はありましたが…。とはいえ、ピュアな小学生を185系の夜行列車に放り込むとトラウマになりそうだったので、復路だけ乗ることにしました。

 1ヶ月前発売に出遅れたので、区間を細切れにして「えきねっと」で空席を見ていたら、運よく高崎~上野間で2人並び席が取れました。1人だったら何とでもなりますが、2人並びはなかなか難しいです。

谷川岳山開き号:高崎駅 2021/7/4

 昨年の夏の臨時列車のプレスリリースには「谷川岳山開き号」以外に185系充当列車がなかったので、「谷川岳山開き号」が185系の多客臨の最後かもしれないという噂が流れました。そのため高崎駅はいつも以上に人が多く異様な雰囲気でした。

登山客輸送の列車らしからぬ荷物棚

 この列車は谷川岳登山を終えた人向けの帰りの列車として設定されたはずでした。登山客は大きなリュックサックや装備があるため、「ムーンライト信州」なんかは荷物棚がいっぱいに埋まったものですが、この列車の荷物棚はこんな感じでほとんど使われていませんでした。登山客よりは鉄ヲタが押し寄せた証左だと思います。

 私の席は先頭車の一番前で人の出入りが多かった上に、デッキにも常時録音機材を持った人がいて乗っていて落ち着きませんでした。185系の多客臨が最後かもという噂もあって、指定券を持たない強行乗車と思しき客もかなりいました。そんなことも気にせず、甥1は車内で爆睡してましたが…。

上野駅に到着した谷川岳山開き号 2021/7/4

 上野駅には特急専用ホームの17番線に到着しました。高崎駅以上の人の多さで、甥1も甥1の迎えに来ていた母親(=妹)も引くぐらいの熱気でした。到着して10分経ってもなかなか人が減らずこんな状態でした。

 185系は昨年の「谷川岳山開き号」以降多客臨に充当されることはなく、時折設定される旅行会社主催のツアー専用列車として使用されています。今や185系に乗ること自体に価値が出てしまったため、ツアー代金は以前では考えられないような値段に設定されています。

 185系の廃車は進んでいますが、昨年の「谷川岳山開き号」で使用されたB6編成も含めまだ何編成か残っており、宇都宮線の車窓から大宮車両センターの奥の方に停泊しているところを見ることができます。私が185系に乗ったのは今のところこの列車が最後です。今夏も多客臨の設定はないので、ツアーに頼らずに乗るのは難しそうです。