続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

新幹線乗継割引縮小へ(岡山~新下関間)

 JR西日本は9月2日のプレスリリースで、管内の特急料金を値上げするとともに、岡山~新下関間の新幹線駅での新幹線と在来線の乗継割引を来年4月1日乗車分から廃止することを発表しました。特急料金の値上げについては別の機会で触れることとし、ここでは乗継割引廃止についてまとめてみます。

 山陽新幹線では九州新幹線が博多まで延伸された2011(平成23)年3月に小倉・博多での乗継割引が廃止されているので、それに次ぐ廃止となります。新大阪・西明石・姫路・相生は残ります。

 私が時刻表を読むようになった頃の乗継割引は「東京・上野・大宮を除く新幹線各駅と大阪・坂出・高松」が対象でした。それが来年4月からは「新横浜~相生間各駅と大阪・長野・上越妙高・金沢・長岡・新潟・新青森・新函館北斗」になります。新幹線が延びる反面、在来線特急は整理されていくので、対象駅はどんどん減っています。

 理由については「コロナ禍の厳しい経営状況の長期化やデジタル化の進展等の社会変容を踏まえ」としています。デジタル化の進展と特急料金の値上げがどう結びつくのかイマイチ理解できませんが、結局はコロナ禍で客が減って苦しいということに尽きるのでしょう。

 事実かどうか分かりませんが、乗継割引によって在来線の特急料金が半額になって減収になった分は、新幹線を運行する会社が負担しているという話を過去に聞いたことがあります。仮にそれが正しければ、岡山駅で新幹線と四国方面の特急列車を乗り継いだ場合はJR西日本がJR四国の特急料金の減収分を負担していることになります。

 今回の乗継割引廃止は単純に増収を企図するだけでなく、そういう自社外への費用流出を嫌ったのかなとも感じます。


 岡山~新下関間の新幹線駅での新幹線と在来線の乗継割引の廃止とは言うものの、この区間内で乗継割引対象となる在来線特急の発着があって、実際に影響がある駅は岡山と新山口だけです。

岡山乗継

新山口乗継

 岡山と新山口での乗継割引が適用された特急券を探してみました。4月から特急料金がこの額の倍になります。利用者としては結構痛いです。

 新山口乗継は「スーパーおき」の3往復だけですが、岡山乗継は「やくも」15往復、「スーパーいなば」6往復、「しおかぜ」15往復、「南風」14往復、「うずしお」2往復と100本以上の特急列車で乗継割引が適用されなくなり、影響の大きさが全然違います。

 おそらくJR西日本としては岡山での乗継割引を止めるのが至上命題だったものの、岡山駅だけ対象外にするのはあまりに露骨なので、岡山駅から西を一気にぶった切ったんだと思います。

サンライズの乗継割引

 一部では知られていますが、「サンライズ出雲・瀬戸」を安く利用するライフハックとして、岡山までのサンライズの特急券と岡山→新倉敷間の新幹線自由席特急券を同時購入して、乗継割引を適用させるという手法があります。岡山→新倉敷間の新幹線自由席特急券より乗継割引が適用後の「サンライズ」の特急料金の割引額の方が高いので、新幹線自由席特急券を放棄しても安上がりになります。来年4月以降はこの手法は使えなくなります。

 なお、JR西日本のプレスリリースの最後には以下の記載がありました。

(2)JR西日本ネット予約「e5489」では便利でおトクな商品もご用意しています。詳細は決まり次第お知らせいたします。

 以前↓の記事で書いたようにe5489には既に乗継割引に相当するものがありますが、今回の乗継割引廃止を受けてさらなる拡充に含みを持たせています。ネット予約と正規料金との差がますます広がりそうな感です。