花たびそうや
◆種別:急行
◆区間:旭川~稚内
急行「花たびそうや」は一昨年・昨年と2年連続で運転が計画されましたが、いずれも新型コロナの影響で運休になりました。
一昨年は指定券発売前に運休が決まり実害はありませんでしたが、昨年は指定券が発売され、初日の運転前日の夜に全列車運休が決まりました。北海道へ行く機内で運休を知ったという大変気の毒な人もいたようです。遠路はるばる乗りに来た人に対して、前日夜に発表してはしごを外すのはちょっとひどいんじゃないかと感じたもんです。
三度目の正直とばかりに今年も運転が計画されました。新型コロナの感染状況が落ち着いていて、今年こそは大丈夫だろうという確信しました。運転日は5月14日から6月5日まで土日8日間でした。
花たびそうや | ||
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下り | 停車駅 | 上り |
10:41発 | 旭川 | 14:46着 |
↓ | ↑ | |
12:26着 12:36発 |
名寄 | 12:43発 12:34着 |
12:56着 13:06発 |
美深 | 12:13発 12:03着 |
13:42着 13:45発 |
音威子府 | 11:35発 11:32着 |
14:20着 14:49発 |
天塩中川 | 10:54発 10:36着 |
15:25着 15:30発 |
幌延 | 9:52発 9:42着 |
16:43着 | 稚内 | 8:34発 |
土曜 | 運転日 | 日曜 |
※他停車駅:比布、塩狩、和寒、剣淵、士別、豊富、南稚内
ダイヤはこんな感じで土曜日が旭川→稚内で、日曜が折り返しの稚内→旭川の運転で1日かけて宗谷本線を走破する形でした。往復とも南稚内と音威子府以外は5分以上の停車時間が確保され、軽食や地域の物産品が購入できる時間がありました。
団体が割り込んでくることを想定し指定は最初から全区間通しで取ることは諦め、割高になるのを承知で細切れを拾う作戦に絞りました。その結果、10時打ちやえきねっと事前受付を駆使し、3分割で確保できました。偶然にも同じ号車で席番も近かったため、座席移動は苦になりませんでした。
編成は稚内寄り先頭が1号車で「山紫水明」の「紫水号」、増結1号車はフリースペース扱いの「北海道の恵み」、2号車は「山紫水明」の「山明号」という組み合わせでした。2枚目の写真の通り紫・黄色・緑と、シルバーの車体の車両が幅を利かせる宗谷本線らしからぬカラフルな編成でした。
ヘッドマークやサボも専用のものが用意されました。利尻富士とレブンアツモリソウ(?)がデザインされたものです。デザイン的にちょっと気に入ったので後日買って帰りました。
今回の「花たびそうや」の停車駅での物販で是非買っておきたいと思っていたものがありました。天塩中川駅で販売していた紙巻きの音威子府そばです。
音威子府は駅そばとして有名でしたが、店主の死去により閉店してしまいました。私も何度か食べに行こうとしましたが、事前に営業時間を調べて行っても閉まっていて、ついに食べることは叶いませんでした。
そして、そのそばを製造していた会社も経営者の高齢化により今年9月で廃業する(実際は8月末で製造を終えていたようです)とのことで、村内でそばを製造するところがなくなるのが確定的になっていました。以前は袋入りのものが札幌のスーパーでも買えましたが、最近は製造量が減っていたようで、旭川や士別といった道北でないと入手できなくなっていました。その貴重な音威子府そばを「花たびそうや」の道中にゲットできるのであれば是非押さえたいと思っていました。
天塩中川駅で真っ先に音威子府村の物販コーナーへ行き、無事音威子府そばをゲットしました。入荷量が少ないため1人1限でした。しかも袋入りより貴重な紙巻きです。これを入手できなければ半分来た意味がないと思っていたので安心しました。
座席は取ることが最優先でしたが、できれば利尻富士が見える進行方向左側を確保したいと思っていました。実際その通りの席が取れたんですが、結果はこのとおり分厚い雲に隠れて何も見えませんでした。
特急が3時間40分で走るところを「花たびそうや」は6時間かけて走破しました。時間はかかりましたが、途中駅で下車し物販を見たり駅前を散策したりして退屈せずに楽しめました。
欲を言えば、地域のおもてなしとの調整はあるのかもしれませんが、8日という運転日数は少ないので増やして欲しいです。時期はもう少し暖かい7月の方がいいと思います。5月と言えど道北だと朝晩は結構冷えます。以前、「風っこそうや」の記事でも書きましたが、急行列車化は正解だと思います。「花たびそうや」はぜひ来年も走らせてほしいと思っています。