ひだ15号
◆種別:特急
◆区間:名古屋~高山
今年7月1日にキハ85系の置き換え用車両としてHC85系が運転開始し、特急「ひだ」の一部列車を置き換えました。
キハ85系はディーゼルエンジンで駆動していましたが、HC85系はいわゆる電気式気動車で、ディーゼルエンジンで発電機から起こした電気でモーターを回しているので、エンジンの出力を制御する変速機が不要になっています。また、蓄電池で余剰となった電力を回収し再利用しているため、省エネにCO2排出削減と同時にエンジン・発電機の小型化が実現できています。
4 | 3 | 2 | 1 |
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クモハ 85-0 |
モハ 84-0 |
モハ 84-100 |
クモロ 85-0 |
現在運用されいる編成は4両編成です。固定編成で3両が普通車で1両がグリーン車です。気動車の形式と言うとキハとかキロを連想しますが、HC85系はクモハやモハといった電車のような形式を名乗っています。
電車と気動車の運転士はそれぞれに必要な免許が異なりますが、電気式気動車については電車か気動車いずれかの免許を所持していて、必要な講習や訓練を受ければ運転ができるそうで、運転士養成に関する時間とコストの削減に繋がっているそうです。
HC85系は7月は2往復で運転を開始し、8月からは紫字の1往復が追加になり、現時点では以下の3往復が運転されています。運転区間はいずれも名古屋~高山間です。
【下り】
ひだ1号:名古屋(7:43発)→高山(10:16着)
ひだ15号:名古屋(16:03発)→高山(18:45着)
ひだ17号:名古屋(18:12発)→高山(20:51着)
【上り】
ひだ2号:高山(6:46発)→名古屋(9:12着)
ひだ4号:高山(8:00発)→名古屋(10:34着)
ひだ10号:高山(12:34発)→名古屋(15:05着)
HC85系は12月からは以下の1往復が追加投入され4往復体制になると同時に、初めてJR西日本区間の富山駅まで乗り入れます。
【下り】
ひだ3号:名古屋(8:43発)→富山(12:31着)
【上り】
ひだ14号:富山(13:02発)→名古屋(17:04着)
ただし、高山~富山間はグリーン車のない2両もしくは4両のモノクラス編成での運転となるため、2両の付属編成がデビューすることになろうかと思います。
8月に高山線方面に出かけた際に、下呂~高山という短区間ですが初めてHC85系に乗車することができました。
8月からHC85系に変更された「ひだ15号」です。きっぷを見る限りではキハ85系かHC85系かの区別は付きません。ちなみにグリーン車であればHC85系は1号車になり、キハ85系では1号車がグリーン車になることはないので区別は付きます。
車内のディスプレイには停車駅や次駅の情報のほかに、今どきのハイブリッド車のようなエンジンやバッテリーの稼働状況が分かる情報が表示されていました。
普通車の座席は紅葉をイメージしたという温かみのある色合いです。質感はN700Sそっくりで、ひじ掛けにコンセントがあります。座り心地もN700S同様かなり硬めで、私はこれぐらいの硬さが好きですが、少なからず硬いという声は出てきそうです。
動き出しは気動車のようなエンジンの回転数が上がって徐々に加速するという感覚ではなく、電車が動き出すように静かでスムーズでした。気動車というよりは電車に乗っているに近い感覚で、とにかく乗り心地はいいです。また、アイドリングストップ機構があるようで、駅停車中はやけに静かです。こんなところにもキハ85系からの30年の進化を感じました。
高山線は久しぶりに乗車しました。古ぼけていた高山駅は近代的な橋上駅に生まれ変わり、少し前まで国鉄型のキハ47系やJR初期型のキハ11系が走り回っていたところに、今では電車と見かけの区別のつかないキハ25系が幅を利かせ、一昔前には想像がつかなかった世界が広がっていました。
HC85系は今後も増備され、今年度中に特急「南紀」にも投入される予定です。キハ85系の列車は近いうちになくなるので、今のうちにしっかり乗ったり記録したりしておかないとなと思っています。