3月11日で日田彦山線・田川伊田駅のみどりの窓口が終了してマルス端末が撤去され、翌営業日から機能が落ちるE-POS端末に置き換えられました。
設置端末 | 営業時間 | 週あたりの 営業時間 |
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~2022年3月11日 | マルス端末 | 月・水・金 | 7:00~10:00 | 29時間10分 |
火・木 | 15:00~18:00 | |||
土休日 | 7:25~11:50 12:50~15:30 |
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2022年3月14日~ | E-POS端末 | 平日 | 7:30~12:00 | 22時間30分 |
土休日 | 休み |
それと同時に土休日は休みになり、営業時間のさらなる短縮も実施されています。上で「翌日」ではなく「翌営業日」と書いたのはそのためです。
それにしても1日あたり4時間ちょっとしか開いてないみどりの窓口ってすごいですね。それだけしか営業していないと当然売り上げも少ないでしょうから、費用対効果のことだけ考えると高価なマルス端末を撤去するという判断は理解できます。利用客のことは何も考えてないでしょうが。
マルス端末からE-POS端末になって以下のことができなくなると案内されています。
- インターネット予約の受け取り
- 九州外の一部列車の乗車券・特急券の発売
「九州外の一部列車」という表現は不正確です。E-POS端末は原則、九州外は東海道・山陽新幹線しか対応しておらず、その他大多数の列車は対応していませんから、「九州外のほとんどの列車」の方が実態に近いです。
田川伊田駅のみどりの窓口で購入した快速「エアポート」の指定券です。「エアポート」は北海道の列車なので、E-POS端末へ置き換えてしまった今では発券できなくなっています。
その後、E-POS化されてから購入した乗車券です。本当は徳山の先の下松駅まで購入したかったんですが、E-POS端末が東海道・山陽新幹線停車駅までしか対応していないため、徳山駅までにしました。端末に口座登録があれば東海道・山陽新幹線停車駅以外でも買えるようですが、田川伊田駅の端末には入っていませんでした。
私が徳山駅までの乗車券を購入した後に爺さんが窓口でやり取りしていました。この辺りの高齢者は声が大きいので、離れていてもやり取りがよく聞こえます。
客:「5月✕日に小倉から京都まで新幹線に乗って、京都から金沢までは『サンダーバード』で、金沢で新幹線に乗り換えて富山まで行きたいんだけど」
窓口:「機械が変わってしまって、こちらで富山までは発券できないんですよ…」
客:「ええっ!?前は買えたのに?」
窓:「3月に機械が変わって九州内しか発券できなくなってしまったんですよ」
客:「どこなら買えるの?」
窓:「(田川)後藤寺の駅なら買えますけど、今は窓口が閉まってて夕方の5時過ぎまで開きません。あとは小倉駅ですかね」(この時AM11時過ぎ)
客:「ええっ!?」
客もまさか機械が変わって機能が劣化したとは思わなかったでしょうし、田川後藤寺駅が日中7時間も窓口を閉めているのも想定外だったでしょう(平日の田川後藤寺駅のみどりの窓口営業時間は7:30~10:00、17:10~19:00)。この人が大げさということはなく、これが普通の反応だと思います。
そして、他社のように近隣のみどりの窓口設置駅まで運賃を負担するといった救済措置はありません。JRの都合でみどりの窓口を閉鎖され営業時間も短縮されてしまったのに、客負担で近隣のみどりの窓口設置駅まで行けということです。かと言って指定席券売機や「ど〜ぞ」の設置もしていません。D&S列車や「ななつ星」なんかで薄っぺらなイメージアップを図ったところで、実態はJRグループで最低のサービスであって、最近は自分がJR九州沿線ユーザーじゃなくてよかったとさえ思います。
それにしても、最近のJR九州はどうしちゃったんでしょうね。株式上場あたりから利用者軽視は始まっていましたが、それに加えて最近はコロナ禍を言い訳にしたコスト削減一辺倒で、経営陣が机上の空論を振りかざすコンサルに言われるがまま騙されてるんじゃないかと思うぐらいです。
極端なコスト削減によって短期的に利益が回復できるかもしれませんが、車両や人員・販売窓口が削減されたことにより長期的には稼ぐ力も同時に失われ、コロナ禍が終わった時に反転攻勢に出られないと思います。過酷なダイエットを続けて骨と皮だけになって体力が落ちて、やがて命まで落としてしまわないか心配です。