9月23日の西九州新幹線開業に伴うダイヤ改正で、長崎線・肥前山口駅の駅名が所在地の町名に合わせた「江北」に変更となりました。
駅名改称を公約に掲げていた町長が2019年12月の選挙で再選されてからとんとん拍子で話が進みました。昨年3月に駅名改称の費用1億円を負担する予算案が可決され、すぐにJR九州と改称の協定を結び、1年半を経て改称の日を迎えました。
私個人的には不要不急で効果もよく分からない施策に1億円も税金を投じる必要はないと思うんですが、町議会で可決されたことですので、まぁ仕方ないと思います。町内に反対運動もありましたが、改称の流れを変えるには至らなかったようです。
JR九州は9月5日のプレスリリースで「ありがとう肥前山口駅記念入場券」を発売することを発表しました。ただ、プレスリリースを読んでいてちょっと違和感があった箇所がありました。それは駅の記念入場券でありながら駅で発売せず、町が作った駅に隣接する商業施設で9月18日から21日まで発売すると発表されたことです。
肥前山口駅は業務委託ながらも有人駅で、営業時間は7:30~15:00(うち休憩13:00~14:00)です。閉まるのは早いと思いますが、駅の記念入場券を駅で売らないのが不思議でした。もっとも、発売数がたった700セットで発売初日の9月18日が日曜日だったので、初日で完売するだろうなと思い、大して気にも留めていませんでした。
しかし…。その9月18日に台風14号が九州地方を直撃したため、発売が延期になりました。そして、仕切り直しとして改称前日の9月22日の19時から先着順(1人2限)で発売されることが江北町のHPで発表されました。私はもともとその日に現地へ行く予定だったので、ついでに買いに行くことにしました。
肥前山口駅には15時ごろには購入列ができ始め16時半ごろには5~60人並んでいましたが、発売開始の19時まではまだまだ時間があるしこの程度なら大丈夫だろうなと思い、並ばずにいったん肥前山口駅を後にしました。
2時間ほど経って肥前山口駅に戻ってきたら大変なことになっていました。改札口前から始まっていた列が跨線橋の階段を下りて、南口のロータリーを半周ぐらいしていました。それから地元の人が次々と車で駅に乗り付けて列に加わっていき、発売が始まる頃には300mほど離れたバイパスの方まで伸びていたそうです。
無事購入できた記念入場券です。A5サイズの台紙にB型硬券の入場券が1枚セットされ、発売額は1,000円でした。台紙代が830円ということになるんですかね???ちなみに入場券の日付はダッチング風の印刷です。しっかり見ないと気づかないぐらいうまく印刷されています。
台紙の表は橋上化される前の旧駅舎になります。中身の年表には2003年に橋上化されたとありますので、その前のものです。看板のフルムーンパスの価格からすると消費税3%時代なので、平成元年~9年の間ということが推測できます。
きっぷと一緒に手渡されたのはこちらの領収書です(本村さんが700枚もの領収書に一つ一つハンコを捺したのか気になります)。領収書の発行者が江北町になっており、実際に販売していたのもJRの職員ではなく、町役場の関係者でした。駅の記念入場券という体裁は取りつつも、JRが主体的に関与している様子はなさそうでした。
この記念入場券は発売開始後40分ほどで完売しました。売れ残りを嫌ったんでしょうが、700セットは少なすぎた感はあります。2000セットでも売り切ったと思います。個人的には入手できないと思っていたものが、台風の影響とはいえ期せずして入手できたのはよかったです。
私はこの記念入場券を買ってから「かもめ39号」に乗って長崎へ向かいました。もし、列車に間に合わなかったら購入列から離脱するつもりでしたが、発売開始から20分ほどで買えたので杞憂に終わりました。最初で最後の「かもめ」のDXグリーン車でした。