続・吾輩はヲタである

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肥前山口駅改称へ

肥前山口駅改称へ

 肥前山口駅は佐賀県江北町にあります。1895(明治28)年に開業した当時は山口村で山口駅を名乗っていましたが、1913(大正2)年に山口県に山口駅が開業したことにより、現在の肥前山口駅に改称されています。山口村もその後の合併を経て現在の江北町の一部になっています。

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肥前山口行きの普通列車:長崎駅 2020/10/26

 長崎線と佐世保線が分岐する鉄道の要衝で、かつてはここで寝台特急「さくら」「あかつき」など特急列車の分割・併合が行われていました。今でもここを始発・執着とする普通列車は多いです。また、JRの最長片道きっぷの終着駅でもあり、そういう意味での知名度もあります。

 そんな肥前山口駅の駅名を江北駅に改称するという話が出ています。来年秋の九州新幹線長崎ルート暫定開業に合わせて町名と駅名を一致させるべく江北駅に改称し、町の認知度を高めるとともに定住促進や人口減少対策とするそうです。

 この方針は一昨年12月に町長が表明しました。昨年3月に町長が再選され信任を得たということで、再選後の最初の予算である来年度予算案に改称のための費用の一部(540万円)が盛り込まれました。

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肥前山口駅ホーム 2018/4/30

 地元の要望で駅名改称を行う場合の費用は原則地元負担です。昨年3月に佐貫駅から龍ヶ崎市駅に改称した際は約3億9,000万円で、地元の龍ヶ崎市が負担しています。朝日新聞の報道によると、長崎ルート暫定開業に合わることで費用は圧縮できるそうですが、それでも1億円を見込んでいるそうです。

 私個人的にはこの改称によって町の認知度は多少上がるでしょうが、駅名が変わることが定住促進や人口減少対策にどう結びつくのか分かりません。標準財政規模29億円の江北町にとっての1億円は決して小さな額ではないですし、新型コロナの影響によっては税収が減ったり、想定外の支出が発生することも考えられます。費用対効果がよく分からない施策に今のタイミングでお金をつぎ込むのに違和感があります。

 改称反対の署名運動もあったようですが、予算案は3月17日に賛成多数で可決され、今月中にJR九州と駅名改称の協定を結ぶそうです。傍から見るとずいぶん急な話に見えます。でも、協定を結んでしまえば、よっぽどのことがない限り後戻りすることはないでしょう。佐賀新聞も「来年秋にも『肥前山口駅』が『江北駅』に改称される見通しとなった 」と決定的なニュアンスで報じています。

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 改称が決定的になったところで、肥前山口関連のきっぷを探してみました。一番上のD型硬券は乗車券と自由席特急券が左右で一様になった連綴券と呼ばれるものです。需要が多い区間には用意されていました。2枚目以降は自分で使ったり集めたりしたものです。

 新幹線開業絡みを除くと駅名の改称は多くなく、ここ10年では昨年の佐貫→龍ヶ崎市、一昨年の東寝屋川→寝屋川公園、2015(平成27)年の寺井→能美根上ぐらいです。JR九州管内に限ると2008(平成18)年の筑前新宮→福工大前にまで遡ります。

 これらの駅はいずれも中間駅でしたが、肥前山口駅はジャンクションであり、列車の終着駅です。ある日を境に特急停車駅が「鳥栖・新鳥栖・佐賀・江北…」となり、普通列車の「肥前山口行き」が「江北行き」になるとしばらく混乱するのは必至で、地元以外の沿線への影響も大きそうです。