JR四国は昨年11月にきっぷが買えるスマホアプリ「しこくスマートえきちゃん」(以下「スマえき」)をリリースしました。アプリで購入した乗車券類でそのまま列車に乗車できます。JR他社ではJR北海道が2018年から石北線・釧網線でスマホ定期券を導入していますが、乗車券・自由席特急券までスマホのアプリでカバーしたのは「スマえき」が初です。
昨年11月のリリース段階ではトクトクきっぷのみでしたが、今年4月のアップデートで乗車券・自由席特急券・定期券も購入できるようになり、乗車券情報のQRコードを表示する機能を追加しました。それに伴って高松駅と高知駅に「スマえき」対応の改札も設けられました。
先月四国で普通列車に乗車した際に「スマえき」を利用してみました。駅に券売機はあったんですが、せっかくなので試してみました。まず事前準備としてスマホへのアプリのインストールと会員登録・クレジットカード情報の登録が必要です。
もろもろの準備を終わらせたら、まず最初に画面下の「きっぷ」タブを選択し、日付や人数を選択し乗車区間を入力します。複数人での利用もできますが小児のみの利用はできないようです。
入力を終えて次画面に進むと経路一覧が表示されます。朝倉→高知の場合は土讃線経由のみが表示されます。ちなみに高松→阿波池田間で試してみたところ、予讃・土讃線経由と高徳・徳島線経由の両方が表示されました。ここでは土讃線を選択して次へ進みます。
最終的な購入画面です。クレジットカードはメインカード以外にも複数枚登録できるので、登録しておけば購入段階でメインカード以外にも変更できます。
購入した乗車券(?)は画面下の「ホーム」タブの購入きっぷ>未使用のところに表示されています。「きっぷ」タブにないのはちょっと違和感があります。
乗車券部分をタップしてQRコードを表示してみました。時刻部分は常に動いています。QRコードも何秒かに1回動的に変化します。右と左でQRコードの内容が変わっているのが分かるでしょうか?試しにQRコードを読み取るアプリで読んでみると違いが分かります。
またQRコードの左下に〇企の表示があり、普通乗車券ではなく企画券扱いになっています。「スマえき」で購入した乗車券と(紙の)普通乗車券との効力の違いを以下に簡単にまとめてみました。
「スマえき」乗車券 | 普通乗車券 | |
---|---|---|
有効日数 | キロ数によらず当日限り | キロ数による |
使用日変更 | 購入日から3ヶ月以内なら 何度でも可 |
使用前1回限り可 |
区間変更 | 不可 | |
途中下車 | キロ数によらず不可 | 101km以上は可 |
「スマえき」はキャッシュレスでアプリで乗車券を購入できるメリットはありますが、普通乗車券よりも不利な条件(赤字部分)も多いなと感じます。そのへんの効力の違いによって〇企扱いにしたのかなと思っています。
そうこうしているうちに列車が来たので乗り込みます。本来は改札入場時に「使用開始」ボタンをタップするんでしょうが、土曜日の朝倉駅は無人なので列車に乗り込んでから「使用開始」ボタンをタップしました。
使用開始するとステータスは使用中に変わります。画面は無地から薄い青緑色に変わり、背景のすまいるえきちゃんとれっちゃくんは斜めにスクロールして、一気に賑やかな印象になります。
高知駅で下車する際は「スマえき」対応改札で出場してみました。コンビニのQRコード決済の端末と同じような感じでアプリに表示されているQRコードをかざします。かざす前に使用終了ボタンをタップしてしまってはいけません。
「スマえき」対応改札でQRコードを読み込ませたらピローンという音が鳴り、何事もなく改札外に出られました。てっきり自動的に使用終了になるかと思ったら、自分で操作して使用終了にしないといけないようです。
使用終了するとステータスは使用済になり、背景が灰色一色になるとともにすまいるえきちゃんとれっちゃくんは消えました。こうして使う分には何も問題ありませんでしたが、未使用時も薄い灰色で色が若干似ているので、もっと区別しやすい色に変えて欲しいなと感じました。
「スマえき」の仕組みは経営体力が弱い鉄道会社がキャッシュレス対応したい場合や無人駅が多くて企画きっぷを含めた乗車券や定期券の発売が困難な場合、比較的容易かつ安価に解決できると思います。自動改札対応を省けばQRコード部分の機能は削れます。JR四国はこの仕組みを自社で展開するとともに、他社への外販も視野に入れてるんじゃないかなと踏んでいます。
【オマケ】
昨年1月末にみどりの窓口が閉鎖されみどりの券売機プラスが設置されて以来初めて朝倉駅を訪れました。閉鎖後は土休日休みになっていて無人でした。無人時間帯は券売機を止める会社もありますが、朝倉駅では稼働していました。
みどりの券売機プラスでは特に買うものはなかったんですが、3年ぶりに再訪した記念にネット予約の引き取りだけしてきました。発売箇所表記は「朝倉駅MVA」となっています。