「クーポンde北海道乗り放題パス」は全国旅行支援「HOKKAIDO LOVE!割」の地域クーポン「ほっかいどう応援クーポン」で購入できるJR北海道の普通列車が1日全線で利用できるフリーきっぷです。昨年の秋から年末にかけて発売されていました。
昨年末の発売終了後何もアナウンスがなかったのでそのままフェードアウトすると思われましたが、今年のGW明けから7月15日まで突如再発売されました。1日2,000円という発売額は2022年版と変わりませんでしたが、発売条件がガラッと変わりました。
2022年版 | 2023年版 | ||
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発売箇所 | 道内のみどりの窓口設置駅 (窓口対応のみ) |
道内12駅の話せる券売機 (オペレーター対応のみ) |
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地域クーポン | 紙 | 〇 | ✕ |
電子 | ✕ | 〇 | |
現金との併用 | 〇 | ✕ |
こうして表形式にして比較してみると発売条件がまるで正反対になったかのようです。現金との併用ができなくなっているので、地域クーポンが2,000円以上ないと購入できませんでした。
また、ここで言う道内12駅とは小樽、札幌、新札幌、千歳、新千歳空港、苫小牧、登別、東室蘭、富良野、帯広、釧路、旭川、北見、網走、函館、新函館北斗の各駅です。「話せる券売機」が設置されていてもこれ以外の駅での購入はできませんでした。
「ほっかいどう応援クーポン」の電子クーポンはSTAYNAVIというサイトから取得します。宿泊予約完了後に自分で宿泊施設や予約番号の情報をSTAYNAVI上に登録し、チェックイン当日に宿泊施設のフロントでQRコードが印刷された紙を受け取ります。STAYNAVIのサイトでQRコードを読み取らせて取得完了です。
クーポンを使用する際は「クーポンで支払う」ボタンをタップし、その際に起動するカメラで店頭のQRコードを読み取って決済金額を入力します。この手順を「話せる券売機」でどう実現するのかとても興味がありました。
札幌駅東口の「話せる券売機」です。券売機の傍らには「ほっかいどう応援クーポン」で購入できる商品は「クーポンde北海道乗り放題パス」のみという貼り紙がありました。さっそくオペレーターを呼び出してみます。
私:「今日の『クーポンde北海道乗り放題パス』を買いたいんですが」
オペ:「かしこまりました。電子クーポンはお持ちですか?」
私:「持ってます」
オペ:「画面を表示して左の読み取り台に置いていただけますか」
この段階で有効なクーポンの有無を確認するのは正しいです。言われた通り画面を表示したスマホを読み取り台に置きます。
オペ:「確認ができました。ありがとうございます。それではスマートフォンでこちらのQRコードを読み取って2,000円と入力していただけますか?」
「こちらのQRコード」はオペレーターが印刷されたQRコードをカメラに向け、それが券売機上部の横長のディスプレイに表示されました。思わず「そうきたか!」と声が出ました。しかし、ディスプレイに映るQRコードが不鮮明だったのでなかなか読み取れませんでした。手元のタッチパネル画面に表示してくれれば簡単にできたんですが…。
オペ:「読み取れないですかね...?」
私:「ちょっとうまく読み取れないんですが...」
オペ:「そうしましたら下の店舗コードに今から言う数字を入力して『このお店で支払う』ボタンを押していただけますか」
QRコードを読み取れない場合の救済措置として、数字の店舗コードを入力してQRコード読み取りに替える機能がちゃんと用意されています。言われた通りの番号と金額を入力します。
私:「支払いできました」
オペ:「その画面を左の読み取り台に置いて見せていただけますか」
こちらが読み取り台に置いた支払完了画面です。2,000円決済された旨と決済箇所の札幌駅(話せる券売機/東券売機2)が記載されています。券売機単位で決済箇所が区別されているのを見て、発売箇所を12駅に絞った理由が推測できました。
QRコードはおそらく駅のみならず券売機単位にまで異なるコードが割り当てられていて、オペレーターは購入を申し出た客がいる駅(券売機)のQRコードを表示させる運用になっていたんだと思います。
直近で道内の「話せる券売機」設置駅は50駅に達しています。道内全駅の「話せる券売機」に対応させてしまうとオペレーターが50駅の中から対応するQRコードを探し出さないといけないので、ある程度利用の多そうな駅に絞ったのでしょう。
地域クーポンの付いた宿泊予約を探すことから始まり、結構手間をかけて仕込んだ今年版の「クーポンde北海道乗り放題パス」です。全額地域クーポンで支払っていますが、発売額の2,000円が表記されています。
昨年のものと比較してみます。右上の商品コードは216-00から514-20に変わっていますが、説明書きは一言一句変わりません。今年は「話せる券売機」のみで取り扱い、全額地域クーポン化されたので何かしら変わるかと思って期待したんですが、あまりに変化がなさ過ぎて拍子抜けしました。
「HOKKAIDO LOVE!割」は7月14日宿泊分で終了し、このきっぷも合わせて発売終了しました。北海道のみならず国内の観光地は日本人ばかりでなく外国人の観光客もだいぶ戻ってきてホテルや交通機関の価格はコロナ禍前以上に高騰してますし、混雑も激しくなり観光公害という言葉もまた聞かれるようなっています。全国旅行支援は11月末まで延長するそうですが、もう特定の業界に対する手厚い支援は要らないんじゃないかと個人的には考えています。