JR東日本は7月24日のプレスリリースで10月乗車分から「のってたのしい列車」の指定席料金を840円に値上げすることを発表しました。「のってたのしい列車」とは平たく言ってしまうと乗ることを目的とした観光列車のことで、対象は以下の通りです。
- SLばんえつ物語
- SL・DL・ELぐんま(みなかみ・よこかわ)
- POKÉMON with YOU トレイン
- リゾートしらかみ
- 風っこ
- リゾートビューふるさと
- フルーティアふくしま
- 越乃 Shu*Kura
- おいこっと
- これら上記対象列車の車両を使用したすべての列車
いずれもSLや専用車両が用意されています。時期によって330円or530円で変動していたものを10月以降は通年で840円となり、最初から840円に設定されている「海里」、「B.B.BASE」、「HIGH RAIL1375」と合わせるような形になります。
昨年11月に青森で走っている「リゾートあすなろ」を改造し、今年冬に新しい観光列車「ひなび」がデビューする旨のプレスリリースがありました。そのリリースの一番最後に「指定席料金ならびに車内サービス等については決まり次第お知らせします」という値上げを示唆する思わせぶりな記載がありました。
そのことが頭の片隅にあったので今回の発表を見てやっぱりなと思いました。JR北海道や九州ではSL列車の指定席料金を1,680円にしているのでそれに合わせるかと思いましたが、そこまではさすがに思いとどまったようで840円になりました。
SLは車両の維持費や燃料費も含めてそもそもの運行コストが高そうで、それに運賃+530円で乗れてしまうのはもはや社会貢献の一環なんじゃないかとすら思っていました。観光列車だって趣向を凝らしてそれ専用に新製したり改造したりしていますから、この程度の値上げは致し方ないのかなと感じます。
ただ、「リゾートしらかみ」とか「リゾートビューふるさと」は観光列車としての役割だけでなく、比較的短い区間でも指定席料金払って移動の足として使っていた地元も人をソコソコ見かけたので、本数が少ない地域のローカル列車を補完する役割もあったように思えました。そういう使い方はしにくくなりそうです。
また、「おいこっと」については観光列車以外にも飯山線のローカル運用に入ることがあります。プレスリリースの中でわざわざ「その他、上記対象列車の車両を使用したすべての列車が対象となります」という注記があるので、10月以降840円徴収するのか、ローカル運用には入れなくするのか、例外として引き続き運賃だけで乗れる「乗り得列車」として存続するのか気になります。
今回の値上げ対象となる観光列車の指定券です。観光列車のほとんどが土休日運転なので全部通常期料金の530円です。10月以降はこれが全部840円に値上がりします。今後JR東日本管内で指定席料金が330円or530円で設定される快速列車は定期列車の「あいづ」、「はまゆり」とキハ110系使用の「湯けむり」ぐらいになります。