2016年4月の熊本地震の影響で一部区間で運転を見合わせていた南阿蘇鉄道が昨年7月にめでたく全線で運転を再開しました。
被災の3ヶ月後には比較的被害が小さかった中松~高森間で運転を再開していましたが、残る立野~中松間はトンネルや橋梁の崩落により復旧には5年の工期と65~70億円の費用がかかるとされていました。
この数字が出た時には正直なところ台風で被災して廃線になった高千穂鉄道の影がよぎりましたが、県や沿線自治体の支援を受けて全線復旧させる方針に決まりました。
終着の高森駅は南阿蘇鉄道唯一の有人駅です。南阿蘇鉄道の本社もここにあります。高森駅は全線再開に先駆けて昨年4月に三角屋根の2代目駅舎から3代目にあたる水戸岡風の現駅舎に移転しています。
列車はすべてワンマンカーできっぷは高森駅のみで発売しています。南阿蘇鉄道線内完結の乗車券の発売はなく、JR連絡のみこのような硬券乗車券を発売しています。日付印はチケッター代用です。いちおう硬券と書きましたが、実際は軟券と硬券の間のボール紙のような材質です。
発売範囲は立野を接続駅として熊本~宮地間各駅で、連絡運輸が設定されている範囲と一致します。最近はインバウンド客も多いせいか、クレジットカード決済にも対応していたりします。
こちらの写真の「サニー号トレイン」は南阿蘇鉄道の全線再開を記念して運転された「ONE PIECE」とのコラボ列車です。従来からあるMT-3010の内外装を「ONE PIECE」で登場する海賊船っぽく改造しました。
木~日曜および祝日の一部の定期列車に増結する形で運転され、追加料金なしの運賃のみで乗車できます。私が当地を訪れたときは「サニー号トレイン」の方が一本被り状態の人気でした。私は「ONE PIECE」のことは主人公がルフィということ以外何も知らないので、なんでこんなに人気なのかよく分かりませんでした。
ともあれ、お盆休みのさなかだったので、復旧したばかりの南阿蘇鉄道には溢れんばかりの人が乗っていました。しばらくは好調を維持すると思いますが、再開ブームが落ち着いた時が正念場です。南阿蘇鉄道から豊肥線直通列車も再開したようですので、また乗りに行ってみようかと思っています。