「お子様1000円!ファミリーきっぷ」はJR西日本で2022年冬と昨年のGW・夏休みの最繁忙期限定で発売されていた片道きっぷです。
大人・小児単独利用は不可で大人と小児が1名ずつの2名以上での利用が必要でした。小児1名につき大人2名まで利用できました。乗車の3日前までe5489のみで発売といういかにもJR西日本らしいきっぷでした。
2022年冬版で設定されていた区間および価格は以下の通りです。
設定区間 | 大人所定額 | 1000円ファミリーきっぷ | |
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大人 | 小児 | ||
大阪市内~岡山 | 6,350円 | 6,030円 | 1,000円 |
大阪市内~広島市内 | 10,630円 | 10,090円 | |
大阪市内~小倉 | 14,720円 | 13,980円 | |
大阪市内~博多 | 15,600円 | 14,820円 | |
大阪市内~出雲市 | 11,340円 | 10,770円 | |
大阪市内~白浜 | 5,700円 | 5,410円 | |
大阪市内~城崎温泉 | 5,700円 | 5,410円 | |
大阪市内~福井 | 6,140円 | 5,830円 | |
大阪市内~金沢 | 7,790円 | 7,400円 | |
大阪市内~富山 | 9,060円 | 8,600円 | |
岡山~広島市内 | 6,350円 | 6,030円 | |
岡山~小倉 | 11,290円 | 10,720円 | |
岡山~博多 | 12,950円 | 12,300円 | |
広島市内~小倉 | 7,880円 | 7,480円 | |
広島市内~博多 | 9,310円 | 8,840円 |
大阪市内から各地といった感じでずいぶん大阪偏重な設定です。京都市内とか神戸市内とかも出せばいいのにと感じました。山陽新幹線は新大阪(大阪市内)・岡山・広島(市内)・小倉・博多相互間(小倉~博多は除く)の設定があります。
小児一律1,000円というインパクトは大きいですが、大人の価格は正規運賃+料金(所定額)と大差ありません。大人の最大の割引額は大阪市内~博多間の780円です。仮に所定額より1,000円以上割り引いてしまうと、小児1名分をカラ予約すれば大人単独利用でも割安になってしまいます。そういう企画側が意図しない利用を防ぐために大人の価格は所定額近くに設定したと思われます。
大人1名・小児1名の組み合わせで「お子様1000円!ファミリーきっぷ」を利用したものです。大人と小児の席無し券と「サンダーバード」の指のみ券が連番になっていて一括で予約・発券されたものと分かるかと思います。指定列車以外を利用する場合は乗車券部分のみ有効で特急券が別途必要になるようです。
このように子供連れで旅行する場合は破格で利用できたきっぷですが、2023年夏休みを最後に発売が途絶えています。2022年冬と2023年GW・夏休みという発売時期からして新型コロナのまん延防止等重点措置が明け、回復しつつある旅行需要の取り込みを狙ったんだと思います。
最近は旅行需要が回復しインバウンドの流入もあり、JR各社の業績も好調です。各社ともコロナ禍の損を取り返さんばかりの回収モードに突入しているので、こういった破格の商品が発売されることはしばらくなさそうな感じです。
いま片手間でアフターコロナと言われた時期に販売されたJR各社の爆安とも言える商品をウェブページにまとめています。またコロナが戻ってきて欲しいとは微塵も思いませんが、最近のホテルや交通手段の高さや混雑を目の当たりにし、当時の安さと閑散ぶりが今となっては懐かしく思えたりします。近日公開予定です。