2024~2025年の年末年始スペシャルとして「コロナ禍に発売されていた神きっぷたち」というテーマでまとめてみたいと思います。
タイトルの通りコロナ禍で利用促進のためにJR各社で発売されていた「神きっぷ」たちを紹介します。あくまで私の手持ちの範囲なので他にもまだあります。なお、ここで言うコロナ禍は1回目の緊急事態宣言が明けた2020年5月から、新型コロナが5類感染症に分類され行動制限がなくなった2023年5月までの3年間と定義します。
JR北海道
HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス
北海道の「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」を活用し発売されたJR北海道の全線フリーきっぷです。2020年7月から2023年2月までに6回に分けて発売されました。補助金を利用し発売枚数が決まっていたため、予告されていた発売終了日前に売り切れてしまうことも多々ありました。
北海道新幹線を除く道内の特急列車自由席(指定席は4回まで)が6日間利用でき、12,000円という破格の安さでした。私も5回お世話になりました。
クーポンde北海道乗り放題パス
2022年10月から始まった北海道版の全国旅行支援「HOKKAIDO LOVE!割」で配布された地域クーポン「ほっかいどう応援クーポン」を利用して購入できたフリーきっぷです。1日2,000円でJR北海道の快速・普通列車が1日乗り放題になるフリーきっぷで、北海道新幹線・特急列車(新夕張~新得間は除く)は利用できませでした。
2022年は地域クーポンと現金が併用できみどりの窓口で購入できましたが、2023年は地域クーポンのみの決済で「話せる券売機」のみでの扱いになりました。
はこだて縄文めぐりパスポート
先述の「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」を活用し、通常発売されている「はこだて旅するパスポート」を半額に値下げし期間限定で発売されました。2020年から2022年まで毎年1~2ヶ月間設定されました。
JR東日本
ひみつの平日パス
平日の利用促進や利用の分散を目的として、2021年7・9月と2022年2・3月の平日限定で発売されました。きっぷの効力は「休日おでかけパス」と同じです。
お先にトクだ値スペシャル
「お先にトクだ値スペシャル」はコロナ禍以前からもキャンペーンや周年記念に合わせてごく短い期間発売されていましたが、2020年8月に始まったものはJR東日本の全方向の新幹線を対象に最繁忙期も含め翌2021年3月までの7ヶ月も設定されたことが特筆されます。
なお、東北・北海道・秋田・山形の各新幹線については東日本大震災復興を名目にさらに半年延長されています。
JR東海
ぷらっとのぞみ
2020年10月から2021年3月までの半年間、「ぷらっとこだま」の「のぞみ」版として「ぷらっとのぞみ」という旅行商品が発売されていました。普通車用はEXサービスの早特と大差なかったですが、グリーン車用は割安に設定されていました。
とにかくJR東海が「のぞみ」の割引をやりたがらないのはコロナ禍があろうがなかろうが一貫しています。
JR西日本
どこでもドアきっぷ
2020年10月から12月まで発売されていたフリーきっぷです。ドラえもんの映画とのタイアップですが、実質コロナ禍での利用促進を目的としたきっぷでした。
「西日本2日間」と「西日本・四国・九州3日間」の2タイプに分かれ、さらに普通車用とグリーン車用がありました。旅行会社ではこのきっぷと宿泊施設を組み合わせた商品も発売していました。
集団での行動が推奨されないご時世で漫然と2人縛りを残したことに疑問を感じたものですが、この頃を境に2人縛りのきっぷが減っていったような印象があります。
定期券併用チケットレス
通勤電車での密状態を避ける「ソーシャルディスタンス」(←懐かしい響き!)と近畿圏の特急通勤の利用促進を目的として2020年6月~9月に発売されたチケットレス割引です。
その名の通り定期券所持者に対して通勤時間帯の指定された列車・区間内の特急指定席が一律300円という破格値でした。
山陽新幹線直前割50・新幹線直前割きっぷ
金土日曜日と祝日の乗車3日前~前日限定で山陽新幹線の「のぞみ」停車駅相互間を割安に利用できるきっぷでした。2020年9月から2021年3月までは約半額の「山陽新幹線直前割50」として、2021年4月から2022年2月までは割引率を4割程度に圧縮した「新幹線直前割きっぷ」として発売されました。
新幹線近トク1・2・3
「新幹線近トク1・2・3」は近距離でも気軽に新幹線を利用できるようにという目的で、金土日曜日と祝日限定で山陽新幹線の片道120Km以内の区間に設定されました。1駅間が1,000円、2駅間が1,500円、3駅間が2,000円という分かりやすい固定価格でした。
2021年1月から何度か延長して2022年2月まで発売されました。2021年4月以降発売分から3駅間が2,500円に値上げされています。
新幹線&やくも早特3
大阪市内および神戸市内と米子・松江・出雲市相互間の乗車券と新幹線と「やくも」の特急券がセットになった片道タイプの割引きっぷです。3日前までに購入することで大阪市内~松江・出雲市が5,000円と半額以下にまで安くなる破格のきっぷでした。
2022年3月で発売終了し「WEB早特7・14・21」にリニューアルされましたが、割引率は大幅に落ちています。
地域共通クーポン限定自由周遊きっぷ
2020年7月から新型コロナの影響による外出自粛で大きな打撃を受けた観光業・旅行業に対する支援として、パックツアーや宿泊費用の半額を補助する「Go Toトラベルキャンペーン」が実施されました。
「地域共通クーポン限定自由周遊きっぷ」は2020年10月からキャンペーン利用時に配布される地域共通クーポンを代金の一部または全額に充当することで購入できた2日間有効のフリーきっぷです。JR西日本管内で10エリア発売されました。
新型コロナの感染再拡大のためキャンペーン自体が2020年末に中止になってしまい、それ以降発売されることはありませんでした。個人的には10エリアコンプリートを狙っていたので残念でした。
ひろしま1デイきっぷ
2020年の「せとうち・広島DC」の際に発売された土日祝日に広島県内がほぼ乗り放題になるフリーきっぷです。DC終了後いったん発売終了しましたが、2021年4月~12月に3回に分けて再発売されました。今までこういう域内のフリーきっぷがあまりなかったので使い勝手はよかったんですが、回を重ねるごとに値上げされていったのがちと残念でした。
JR四国
四国満喫きっぷスペシャル
「四国満喫きっぷスペシャル」は2020年5月に緊急事態宣言が明けてからポストウィズコロナ(←これも懐かしい響き!)としてJRグループで真っ先に発売されたトクトクきっぷと記憶しています。
JR四国の特急自由席に加え、土佐くろしお鉄道や阿佐海岸鉄道にJR四国バスの一部路線が3日間利用できて8,500円(Web発売分)という破格の安さでした。2,000円追加してレンタカーも利用できるプランもありました。
2020年7月からは「四国満喫きっぷスペシャル」として、2020年10月から2021年3月までは「四国満喫きっぷスペシャルプラス」という名称で発売されました。プラス化に伴って2,000円値上げされています。
日帰り高松・松山おでかけきっぷ
「日帰り往復高松・松山おでかけきっぷ」は2020年12月1日~25日の期間限定で発売されました。その名の通り高松~松山を特急自由席で往復するタイプのきっぷで5,000円で発売されました。ここには地域共通クーポンとJR四国キオスクの利用券が1,000円分ずつ含まれていたので、実質3,000円で利用できました。しかも当日購入も可能というかなり「イカれた」きっぷでした。
とくしまプレミアム企画割引乗車券
徳島県の公共交通機関を支援する施策として「とくしまプレミアム交通券」というクーポン券が発売されました。列車やバス・タクシーが利用できる5,000円分の交通券が半額の2,500円で、徳島県民以外も購入できました。
JR四国では徳島県内のみどりの窓口で、交通券を利用して徳島県内を発もしくは着とする乗車券・特急券が購入できました。きっぷは定価での発売でしたが交通券が半額なので実質半額で利用できました。
Go To Travelキャンペーン企画割引乗車券
2020年の「Go Toトラベルキャンペーン」の際に発行された地域共通クーポンを利用することで購入できたきっぷです。「~乗車券」となっていますが特急券も購入できました。
地域共通クーポンの利用エリアや利用開始日など細々とした条件を満たす必要はありましたが、定価の4割引きで購入できる破格の安さのきっぷでした。
JR九州
みんなの九州きっぷ
「みんなの九州きっぷ」は2020年7月から12月まで発売されたフリーきっぷです。豊肥本線・三角線より北の「北部九州版」と全域が利用できる「全九州版」の2パターンあり、新幹線・特急列車の指定席が2日間で6回まで利用できるきっぷでした。何回かに分けて2023年7月まで発売されました。
2020年に発売された際は北部九州版が5,000円で全九州版が10,000円で爆安でしたが、毎回のように値上げされ2023年には北部九州版が9,500円で全九州版が18,000円という全然割安感のない似て非なるきっぷに転生(?)しました。
こうして見るとJR西日本と四国が奮闘していて、JR東海は我関せずとばかりに消極的だったなと感じます。
コロナ禍が戻ってきて欲しいとは微塵も思いませんが、インバウンドが押し寄せて列車もホテルも飛行機も何もかもが高くなり、観光地のどこに行っても混雑している現状を踏まえると、安くて空いていたこの頃が懐かしくも感じます。