続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

ふじかわ早特きっぷ

 「ふじかわ早特きっぷ」は今年3月16日のダイヤ改正後から設定された特急「ふじかわ」の自由席が利用できる早期購入型の片道きっぷです。乗車前日までの発売です。

ふじかわ7号:身延線・富士宮駅 2021/4/17

 「ふじかわ早特きっぷ」が発売された背景には今年12月で「ふじかわ自由席特急回数券」(以下「特急回数券」)が廃止されることがあります。移行期間も含めた救済措置としての発売と考えてよいでしょう。形態は4枚綴りの特急回数券から片道から購入可能になります。「ふじかわ早特きっぷ」に限ってはe5489に加えて駅での購入も可能です。

 特急回数券は「静岡~内船・身延・下部温泉」「静岡~市川大門」「静岡~甲府」の3区間だけでしたが、以下のように早特きっぷの設定区間は静岡~全停車駅という具合に細分化されました。

発売区間 正規運賃+料金 特急回数券 早特きっぷ
静岡~清水 1,000円 設定なし 920円
静岡~富士 1,350円 1,160円
静岡~富士宮 1,620円 1,450円
静岡~内船 2,540円 2,410円 2,150円
静岡~身延 2,720円 2,310円
静岡~下部温泉 2,890円 2,410円
静岡~甲斐岩間 3,180円 設定なし 2,800円
静岡~鰍沢口 3,840円 3,140円
静岡~市川大門 3,840円 3,350円 3,140円
静岡~東花輪 3,840円 3,350円
静岡~南甲府 4,170円 3,470円
静岡~甲府 4,170円 3,770円 3,470円

 早特きっぷは正規運賃+料金から概ね10%台の割引率です。早特きっぷと特急回数券との比較では「静岡~下部温泉」以外は早特きっぷの方が割安になっています。早特きっぷが劇的に安いとは思いませんが、前日に買えばこれだけ安くなれば悪くないのかもしれません。

 私が3月に使用した現物です。休日に往復であれば「休日乗り放題きっぷ」との併用の方が割安なんですが、身延から先は甲府方面に抜けたためこのきっぷの利用を思い立ちました。紛れもなくJR東海のきっぷなのにJR西日本の予約システムであるe5489経由で予約されている奇妙なきっぷです。

 いつまで続くか分かりませんが、特急回数券廃止の代替措置として早特きっぷが発売されたのは利用者としてありがたいです。2021年8月に静岡と山梨を結ぶ中部横断自動車道が全線開通して自動車での移動が劇的に便利になっています。静岡~甲府間を2時間弱で結ぶ高速バスは朝夕2往復しかないので「ふじかわ」への影響は今のところ限定的です。ただ、本格的な脅威にならないうちに早めに手を打ったのかなと思っています。