続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

別府・大分乗継の料金通算特例廃止へ

 JR九州の12月11日のプレスリリースに「割引きっぷの見直しについて」という発表がありました。JR九州では来年4月からの運賃値上げを予定しているので、それに伴う値上げだろうからまぁあるだろうなと思っていました。 

JR九州プレスリリース(https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2024/12/11/241211_waribiki_kippu_kakaku_minaoshi.pdf より抜粋)

 実際内容は概ねその通りだったんですが、下の方にいや~な記載を見つけました。

 博多~宮崎空港間で特急「ソニック」「にちりん」を別府駅または大分駅で途中下車せずに乗り継ぐ場合、特急料金とグリーン料金(DXグリーンおよびグリーン個室は対象外)が通算できる特例を4月発売分から廃止するという記載があります。

 まずこの特例廃止の件は割引きっぷの見直しとは何も関係ないので、別のプレスリリースとして出すべきでした。単に面倒くさかったのか、ネガティブな情報を目立たなくしたかったのかは分かりませんが、この情報の出し方には違和感があります。


 この特例は2003年に「にちりん」の一部が別府発着に短縮された時に、旅客側が一方的不利にならないよう設定されました。2012年に別府発着の「にちりん」は全て大分発着に変更されたため、別府駅を接続とする通算特例は実質なくなっています。

通算特例の一葉券

 この特例を利用した一葉券の特急券です。特急料金・グリーン料金ともに通算されていますが、特例がなくなると別々に支払う必要があります。この場合だったら鶴崎~大分間は普通列車で済ますことになるでしょうね。

 席無し券+指のみ券2枚で発券されるパターンだと席無し券の表記がちょっと面白いことになります。

にちりん&ソニック乗車

ソニック&にちりん乗車

 このように列車の乗車順によって「にちりん&ソニック乗車」「ソニック&にちりん乗車」という具合に特徴的な印字がされます。

 現在では指定席券売機で購入すると普通に一葉券が発券されると思いますが、宮崎→折尾の券は14年も前であるせいか席無し券+指のみ券の組み合わせになっています。小倉→鶴崎の券は一葉券に対応していないe5489なので必然的に席無し券+指のみ券の組み合わせになります。

 現在、大分駅を挟んで直通する日豊線の特急列車は博多~宮崎空港間の「にちりんシーガイア5・14号」、小倉~宮崎空港間の「にちりん3・16号」、博多~佐伯間の「ソニック12・41号」のそれぞれ1往復ずつです。

 一昨日、来春のダイヤ改正の概要が発表されましたが、これらの直通列車は増発されず現状維持でした。大分駅を挟んで特急列車を利用する場合の多くは引き続き「ソニック」~「にちりん」での乗り継ぎをすることになり、特例がなくなることによって純粋に負担増になります。おそらく安易に増収を目指したんでしょうが、この特例はなくしちゃいけないんじゃないかなと感じます。

宮崎駅前に停車する福岡行きの高速バス 2019/9/1

 ひょっとしてJR九州は福岡県内~大分南部・宮崎県内の移動に日豊線を利用してもらおうという気はもうないのかもしれません。実際福岡市~宮崎市の移動であれば日豊線経由の特急より高速バスの方が安くて本数が多くて速いですからね...。それ以外は価格次第ではまだ競争の余地があると思うんですが。