続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ。そろそろ15周年。

0系狂騒曲(前編)

ひかり355号

◆種別:新幹線

◆運転区間:広島→博多

Hikari355sign (広島駅発車案内)

 ちょうど1ヶ月前の11月30日の「こだま659号」を以って44年にわたる0系の定期運用が終了しました。12月に入ってから新大阪~博多間の「ひかり」としてさよなら運転が3日で4本設定されました(黒字部分)。指定はものすごい人気で、1ヶ月前10時の発売開始数秒で売り切れています。あまりの反響の大きさに11月11日になって急遽12月13日に広島~博多間で354・355号の運転が追加で設定されました(青字部分)。

          博多    広島     岡山   新大阪  運転日(12月)

ひかり340号  8:40 →  9:45 → 11:03 → 12:05  14日

ひかり354号 10:12 → 11:45                  13日

ひかり355号 16:30 ← 14:42                  13日

ひかり347号 18:01 ← 16:31 ← 15:45 ← 14:56  6・13・14日

 初めて乗った新幹線が0系だった世代としてはやはり乗りに行きたいと思いました。当初は12月13日の347号狙いでしたが、事前に大々的に運転日が公開されている上に団体枠でかなりの座席が発売前から抜かれている予感がしました。反面、追加設定された分はHPでこっそり公開された上に設定と発売の合間が短く、広島始発なので団体で抜かれる数は多くないと予想しました。そこで347号は最初から捨て、355号の広島→博多間の一本に絞り、早起きして3駅で一ヶ月前の事前予約を仕込んできました。

 あと、保険として10時前にPCの「エクスプレス予約」の画面を立ち上げ、駅で取れなかった場合に備えました。予め区間と列車名を打ち込んで、腕時計(←電波時計)が10時になると同時に「予約」をクリックしました。半分期待しつつ数十秒後に返ってきた結果メールはなんと「満席」_| ̄|○

 結果に愕然とする間もなく、すぐに気を取り直して新山口→博多間に区間を短縮して再度申し込んでみました。そうしたところ通路側ながら押さえることができました。その日の帰りに事前予約を仕込んだ駅に結果を取りに行きましたが全滅でした。「エクスプレス予約」で保険をかけておいて正解でした。

Expbefore (最初の予約画面)

 ところが困ったことがありました。予約画面(クリックすると拡大します)を見てわかるとおり、予約できたのは新山口→博多間だけです。私は関東在住なので以下のような計画を立て、改札内乗継を駆使する予定でした。そこで新山口→博多間の355号の指定を保持したまま区間変更を試みましたが、どうしてもPC操作ではできませんでした。

         熱海    新神戸   新山口    博多

ひかり367号 10:43 → 13:18

ひかり467号         13:33 → 15:25

ひかり355号                 15:40 → 16:30

 「エクスプレス予約」のFAQによると、「エクスプレス予約」の変更は変更後の指定を新たに全部取れてから初めて変更前の指定を戻す仕組みになっているとのことでした。この場合、355号に全く空席がなかったため変更できなかったというわけです。PC操作で変更できない場合はエクスプレス予約のサポートダイヤルで対応してくれるということもわかり、そこへ電話してみました。「エクスプレス予約」を5年以上使っていて初めてのことでした。

 オペレーターはこちらの事情を理解してくれたようで、裏で変更作業をやってもらえることになりました。作業に時間を要するので完了後に電話連絡がもらえるとのことでしたが、2時間ぐらいしてPC画面で確認したところ無事完了していました。355号の座席はそのままで、予約番号が1番上がっています。

Expafter (変更後予約画面)

Expbefore (変更後のきっぷ)

 このまま大人しくしていれば良かったんですが、人間どうしても欲が出るものです。せっかく0系に乗るために九州まで行くのに、たった50分だけでは物足りないと感じ始めました。どうせなら全区間乗りたいと思うようになりました。

 その後執念深く広島→博多間で空席を探しましたが、細切れでは出ても全区間では全く出ませんでした。もうダメかと思った前日の午後に空席を見てみたところ、見慣れた×が一瞬になっていました。すぐに「エクスプレス予約」で座席位置を指定せずに予約をかけました。

 …その数十秒後に返ってきた結果メールには「ご希望の列車を予約しました」とありました。執念が実った瞬間でした。しかも窓側でした。それに伴って以下のように旅程を変更しました。1本目の「ひかり367」号は変わりませんが、新神戸駅で4分で「のぞみ21号」に乗り換え、広島駅でも4分で「ひかり355号」に乗り換えるという慌しいスケジュールになりました。

         熱海    新神戸    広島    博多

ひかり367号 10:43 → 13:18

のぞみ21号          13:22 → 14:38

ひかり355号                 14:42 → 16:30

 しかし、またも困ったことに気づきました。「エクスプレス予約」では指のみ券の予約はできません。そのため変更前のきっぷの一部に組み込んで使うことができません。かと言って受取済の特急券を前日ないし当日に払い戻してしまうと規程通り30%の手数料を取られてしまいます。でも、せっかく全区間で取れた指定券は戻したくありませんでした。

 そこで、熱海駅の窓口で乗車変更を申し出た際に「エクスプレス予約」で「ひかり355号」の指定を押さえていることを告げ、私が今から携帯操作で座席の取消を行うので、戻る一瞬で指のみ券を出して欲しいとお願いしました。係員には「やってみますが、他の方に取られてしまうリスクはご承知ください」というようなことを言われました。ある種の賭けでした。そこで運悪く取られてしまったら諦めるつもりでした。

 私は目の前で操作をし、係員はその間絶え間なく「発信」ボタンを連射していました。私が「変更」をクリックして数秒後に発券される音がしました。係員は黙って頷いていました。「エクスプレス予約」で押さえていた席と同じ席の指のみ券が出てきました。

Expafter (再変更後のきっぷ)

 係員は全ての券に「乗変」の印を押して私に渡しました。見てわかりとおり席無し券と「ひかり367号」の指のみ券は変更前の券そのままです。新神戸→広島間が「のぞみ」利用になったので「のぞみ指定席利用区間新神戸→広島」というふうな手書きをするかもしれないと思いましたが、そのまま渡されました。こうして私は一路広島へ向かいました。

 広島駅では最新鋭のN700系から最古参の0系への乗り継ぎになりました。ホームは人がごった返していて、4分しか乗り換え時間がなかったので最低限の写真を撮って早々に乗り込みました。それぞれのドア口には係員が立っていて、「ひかり355号」の特急券を持っているか一人一人確認していました。車内は概ね良好に埋まっていました。JR東日本の乗車券袋を持っていた人も多く見かけ、遠方から来ている人もかなりいるように思われました。私の隣の席の人も前日の夕方に指定席券売機をいじっていたら偶然取れたので、急遽東京から来たと言っていました。

Hikari355_3 Hikari355maku

 途中の徳山駅新山口駅で通過待ちがあり、列車の撮影時間には余裕がありました。私は0系に限っては後ろの赤いテールランプ側から撮るのが好きです。こういった列車を撮影する際にはクレイジーヲタの罵声が飛び交って殺伐としたりしますが、今回はあまりそういう雰囲気はなかったと思います。徳山駅では先頭車付近で必死に写真を撮るあまり、財布を線路に落としたおばちゃんもいました。(発車前までに無事「救出」され、列車の運行に支障はきたしませんでしたが…)

 また、昔は当たり前のように見られたひかり 博多」の方向幕もかなり久しぶりに見ました。東海道新幹線の0系末期は300系に合わせた白地のデザインに変わってしまったのでなおさらでした。0系にはこの青地の方向幕のほうが合うと思います。

Hikari355_hassha新山口駅を発車)

 300系以降の時速270Km以上出る車両に慣れてしまっているので、最高速度220Kmの0系の車両が全速で走ってもどことなくゆっくり通過するような感じさえしました。天気はあまり良くありませんでしたが、沿線には0系を撮ろうとしている人を多く見かけました。後続の「ひかり347号」だと時間が遅すぎて真っ暗になって撮れないという事情もあったんでしょう。

Hikari355kinensho

 車内では乗車記念グッズの発売とともに、記念乗車証(クリックで拡大します)も配布されました。乗車記念グッズは2両ごとに整理券を配布し、その番号順に一人一品のみ発売されました。あいにく私は番号が遅く、欲しかったものは売り切れになっていました。記念乗車証は途中駅で降りる人から優先に席番と区間を一枚一枚チェックしていました。かなり人手がかかっていましたが、混乱が起きないようにきっちりやっている印象を受けました。

Hikari355_1 Hikari355_2

 そうこうしているうちに列車は1時間48分かけて定刻どおり博多駅に到着しました。小さい頃によく聞いていた、鋼鉄製の重たい車両がレールの継ぎ目を拾う独特の走行音もこれで聞き納めになりました。グッズが買えなかった以外は満足することができ、「これで終わりだな」という踏ん切りもつきました。

Hikari355maku2

 博多駅にも多くの人が待ち構えていました。車庫への回送までは少し時間があり、みな思い思いに写真に収めていました。ヲタばかりでなく子供連れがかなり多かったのが意外でした。

 博多駅の新幹線ホームには私を迎えに来てくれた人がいました。

「ホームでカメラを持って(0系を)待っていた人より、列車から降りてきた人の雰囲気の方が怖い」

 開口一番そんなことを言われてしまいました。また、降りてくるのは男性一人客ばかりで、みな一様に満足感というか幸福感で満たされた表情をしていてすごく不思議な集団に見えたそうです。 私も紛れもなくその集団の一員だったんですが…。

 私は回送される0系を見送って博多駅を後にしました。これが最後のつもりでしたが、結果的に最後にならなかったので後編があったりします(爆)

 平成20年の更新は今日で最後です。ご愛顧ありがとうございました。年明けは予定通り1月1日の更新です。今年は初めて列車内で年越しをする予定です。