連続行程
(N型マルス券)
4枚連続したN型マルス券です。クリックすると拡大します。私は通常券種ごとにファイリングして整理しているのでミシン目を切ってバラそうと思ったんですが、行程が見事に連続しているので思いとどまってとりあえずこのままで保管しています。
昭和62年10月の券なので青森→函館間はまだ青函連絡船です。間に青函連絡船が挟まっても北海道側の特急列車に乗継割引が適用されました。以前の記事で書いたように旭川の読みが「アサヒガワ」になっています。行程上で途中下車しなかったから全券片が繋がったまま生き残ったんだと思います。鋏が折り目で対称になっているので、1枚目と2枚目のミシン目を折って、鋏を入れたっぽいです。スタンパーだとこうはいきません。
指定券から判断すると行程はこんな感じだったんでしょう。
盛岡 青森 函館 札幌 旭川
はつかり27号 21:36 → 0:05
青函1便 0:30 → 4:25
北斗1号 4:42 → 8:28
ライラック3号 9:00 → 10:43
所要時間が13時間07分で、この間ほぼ乗りっぱなしです。接続がいいので敢えて途中下車する必要がない感じです。
連絡船接続とはいえ「北斗1号」の朝4:42とはすごい朝早い時間です。今の感覚だと「北斗」で函館→札幌は「上り」と思ってしまいがちですが、対東京と言う観点からだと「下り」になり、号数が奇数になっています。これは今でもそのままです。
現在のダイヤで青函間を夜行で越えようとすると以下のような感じになります。
盛岡 八戸 青森 札幌 旭川
はやて29号 20:26 → 20:59
つがる29号 21:18 → 22:18
はまなす号 22:45 → 6:07
Sカムイ1号 6:53 → 8:13
所要時間11時間47分です。こうやって調べてみて、八戸まで新幹線ができて青函トンネルもあるのに思ったより差がないなと感じました。多分、函館までで稼いだアドバンテージを、気動車の「北斗」と客車の「はまなす」の足の速さの違いによって函館~札幌間で食いつぶしてしまっているんだと思います。
そこで客車が入らない行程を組んでみました。
盛岡 八戸 函館 札幌 旭川
はやて19号 15:26 → 16:03
S白鳥19号 16:14 → 19:20
S北斗21号 19:42 → 22:56
Sカムイ55号 23:05 → 0:25
所要時間8時間59分です。全てJR化されてからの車両になっていて、20年で約4時間の進化です。なんだかN村京太郎のトラベルミステリーみたいです。
もっとも、現在は便数は少ないものの花巻~新千歳間に航空便があり、たった1時間で結んでいます。鉄ヲタか飛行機嫌いでなければ飛行機を使うだろうなぁ…と考えてしまいます。長距離輸送の主役が鉄道から飛行機に移りつつあった時代のことです。