北海道新幹線開業
今年3月26日についに北海道新幹線が開業しました。昭和47年に新幹線の基本計画に指定されて実に44年かかっての開業でした。
まずはめでたい話ではあるんですが、社内がゴダゴダしてるJR北海道に新幹線を任せて大丈夫なのか、青函トンネルはちゃんと維持できるのか、冬場の雪対策は大丈夫なのか、札幌開業まで毎年50億円近く発生するとされる赤字に耐えられるのか等々、個人的には今後の行方の方も気がかりではあります。
あと、開業前に話題になったのが特急料金の高さです。青函トンネルの維持費や雪対策に費用がかかるためという理由は理解できますが、新青森~新函館北斗間の運賃+特急料金が7360円というのは想定以上に高いなと感じました。
新青森~函館間で在来線と北海道新幹線の比較をしてみます。
在来線 | 新幹線 | |
運賃+特急料金 | 5,490円 | 7,360円 |
所要時間(最速) | 2時間02分 | 1時間28分 |
乗り換え | なし | 1回 |
30分ちょっとの短縮で2,000円近い値上げになっています。これが青森発着だと在来線は10分マイナス、新幹線は10分プラスになります。
在来線時代はJR北海道もJR東日本も青函間のトクトクきっぷを発売していましたが、北海道新幹線開業を機に両社仲良く全廃してしまいましたから、新幹線の割高さを回避する手段が減っています。青函間の移動については新幹線の開業が利便性の向上に結び付いていない可能性もあります。
両社ではネット予約限定で北海道新幹線が最大4割引となる設定を用意して激変緩和的な措置としていますが、ネット予約は簡単に改廃できるのでこれがいつまで続くかは分かりません。
こちらは開業初日の「はやぶさ95号」の特急券です。仙台始発で青函トンネルを渡る下り3番列車です。右下にJR北海道の函館新幹線運輸所の絵柄入りのチケッターが押されています。
新たに開業した新青森~新函館北斗間は全区間JR北海道のエリアですが、JR東日本の「トクだ値」が設定されるという不思議な事象になっています。おそらく他社完結の「トクだ値」の設定は初めてだと思われます。5960円という値段でも「えきねっと」の「トクだ値」で20%引きになっていますが、受け取った時に「やっぱり高いなぁ…」という印象は残りました。
「はやぶさ95号」は下りのH5系一番列車でもありました。北海道新幹線のH5系はJR東日本の東北新幹線E5系と共通設計で、外観もメタリックの緑色は同じで、帯の色が紫で北海道のエンブレムが入っていることぐらいしか違いがありません。車両は同じであるにしても、外観ではもう少し北海道らしさを主張してもよかったのではないかと感じます(個人的にはキハ261系の新デザインなんていいと思うんですが)。
内装の雰囲気もE5系と大きくは変わらなかったんですが、ブラインドに模様が入っていたり、床に雪の結晶がデザインされていてして、さりげなく主張していました。
おそらく何年か先の北海道新幹線札幌開業の際にはH5系も更新期を迎え、代替となる新型車両も登場することでしょう。その時に「北海道らしさ」をもっと出せればいいと思います。
北海道新幹線は青函トンネルを始めトンネル区間が多く、景色を楽しめる区間はあまりありません。江差線では津軽海峡の景色が楽しめましたが、北海道新幹線では一瞬見えるだけです。ただ、江差線からは見づらかった駒ヶ岳が北海道新幹線の車窓から見えた時にはちょっと感動しました。E席側から駒ヶ岳が見えます。
東京~新函館北斗間でも運賃+特急料金で22,690円となります。これは飛行機の正規運賃よりは安いですが、早期購入割引運賃よりは高いです。本数や当日飛び乗れる利便性は新幹線の方が上ですが、所要時間や函館市内へのアクセスは飛行機の方が上で、両者それぞれでメリット・デメリットはあります。北陸新幹線の時のように飛行機が一方的に壊滅的な打撃を受けることはなさそうです。