北海道お先にネットきっぷ
昨年12月1日からJR東日本の「えきねっと」予約の受け取りがJR北海道全域の駅・旅行センターでできるようになりました。それに伴って、今月末でJR北海道独自で展開しているインターネット予約サービスと電話予約サービスを終了することが発表されました。
平たく言うと2月以降はJR北海道がJR東日本の予約サービスに完全に片乗り入れすることになります。そんなのは昨年3月の北海道新幹線開業時に合わせられれば無駄な投資をせずに済んだと思いますが、そうもいかない事情があったのでしょう。
利用客に対しては早期の移行を促すためか、既にJR北海道の予約サービス画面のトップは「えきねっと」になっており、自社のサービスは左下に追いやられています。
JR北海道のインターネット予約サービスでは北海道新幹線区間で「北海道お先にネットきっぷ」という早期購入割引のきっぷを発売しています。「お先に」と付くだけあって、乗車の14日前までの予約・購入することで25~40%引になります。乗車区間は発着駅のいずれかもしくは両方に北海道新幹線の駅を含む必要があります。
主な区間ごとの価格は以下のとおりです。赤字が「お先にネットきっぷ」の発売額、黒字が正規料金です。価格はいずれも乗車券+新幹線特急料金(通常期)がセットになったものです。
新函館北斗 | 木古内 | 奥津軽 いまべつ |
割引率 | |
東京 | 17,010円 22,690円 |
16,000円 20,830円 |
14,290円 18,550円 |
25% |
大宮 | 16,290円 21,230円 |
15,210円 19,780円 |
13,740円 17,820円 |
25% |
仙台 | 12,110円 17,100円 |
10,860円 15,320円 |
9,170円 12,920円 |
30% |
盛岡 | 8,360円 12,880円 |
7,280円 11,210円 |
5,300円 8,160円 |
35% |
新青森 | 4,350円 7,360円 |
3,280円 5,480円 |
1,940円 3,250円 |
40% |
遠距離になるほど割引率は渋くなっています。とはいえ、新函館北斗~東京間は22,690円のところが17,010円と5,680円も安くなっていて、金額としては大きいです。
また、北海道新幹線完結区間は40%引きになっています。この価格は津軽海峡線時代の無割引の乗車券+特急料金とそう変わりません。北海道新幹線は特急料金が高いという批判がありましたが、ネット予約の割引率を上げてその批判をかわしたいという意図があったと思われます。まぁネット予約を利用できない人には値上げでしかないんですが。
(乗車券)
(特急券)
私が利用した「北海道お先にネットきっぷ」の現物です。きっぷ自体は「北海道ネットきっぷ40」となっている以外は以前紹介した「北海道ネットきっぷ」と変わりません。購入当時無人化が噂されていて、実際に昨年4月末で無人化された石北線・美幌駅で引き換えたのはちょっと狙いました。
「北海道お先にネットきっぷ」はインターネット予約の終了とともに発売終了しますが、ほぼ同じ商品の「えきねっとトクだ値」が既に設定されているので、影響はほぼないと思われます。私が今月中にもう一回使う機会はなさそうです。
今後、受け入れる側の「えきねっと」では北海道内在来線の予約をしやすいよう画面を改良したり、「トクだ値」を設定したりして、北海道向けのサービスを強化していく方針のようです。