飯田線・平岡駅は長野県天龍村にあり、特急「伊那路」が全列車停車する下伊那地域の主要駅です。そんな平岡駅についてちょっと気がかりなニュースがありました。８月２０日付の南信濃新聞が報じたところによると、ＪＲ東海が天龍村に対し、平岡駅を来年４月から無人化することを打診しているそうです。以下が南信濃新聞からの抜粋です。
ＪＲ東海が平岡駅を無人化の方針
天龍村平岡のＪＲ飯田線平岡駅について、ＪＲ東海が無人化する方針を村に伝えていることが１８日、分かった。現在は駅員として関連会社・東海交通事業の社員が昼間のみ勤務し、切符販売業務に従事しているが、来年４月から配置しない意向。自治体に乗車券類の販売業務を委託して無人化を回避する簡易委託販売契約の締結について村に打診している。
（中略）
ＪＲ東海は複数路線の小規模駅で無人化を検討しており、飯田線では平岡駅のほか、愛知県内の本長篠、東新町、三河一宮駅についても地元自治体に申し出をしているという。
正確に言うと純粋な無人化ではなく、簡易委託化です。この記事だけ読むとＪＲ東海が東海交通事業（以下「ＴＫＪ」）の要員を引き揚げてその補充しないように読み取れますが、実際には簡易委託を受託した自治体からＴＫＪに再委託することも多いようです。要は委託主体をＪＲ東海から地元自治体に移すことによって、ＴＫＪへの委託費の支払い主体も移してしまおうという魂胆が見え隠れします。
本長篠駅は平岡駅と同じく特急停車駅です。また、昨年９月に同じ飯田線の水窪駅が簡易委託解除→無人化されていて、今年３月にも高山線・古井駅を始め４駅で同様の無人化を行っています。ＪＲ東海はローカル線のリストラを容赦なく進めている感です。他線区を含め同様に打診された駅の動向も気になります。
ちなみに、ＴＫＪは少し前まで窓口業務のエキスパートを指向した新卒採用や既卒採用を行っていました。転職サイトで何回か求人を見たことがあります。
（駅部分は４階建て２階の一部）
これは完全に個人的な予測ですが、天龍村はおそらく簡易委託化を呑むと思います。平岡駅は「ふれあいステーション龍泉閣」という村の温泉・宿泊施設に入居するような形になっていて、駅自体がちょっとした観光拠点になっています。なので、特急列車が停車し、村の玄関口的な駅が無人だと格好がつかないですし、ＴＫＪに再委託せずとも、「龍泉閣」の要員をうまくやりくりすれば、さほどコストはかけずに駅業務の継続は可能だと思われるからです。ＪＲ東海への簡易委託化を受け入れるかどうかの回答期限は１０月末だそうです。天龍村がどういう判断を下すのか密かに注目しています。
【補足：１１．１．１７】
