JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ
昨年7月より「JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」という連続した土休日2日間利用できるフリーきっぷが発売されています。フリー区間はJR東海全線(東海道新幹線の東京~熱海間と米原~新大阪間は除く)とJR東海の路線と接続のある16社の私鉄です。
- 伊豆箱根鉄道(駿豆線のみ)
- 岳南電車
- 静岡鉄道
- 天竜浜名湖鉄道
- 遠州鉄道
- 豊橋鉄道(市内線含む)
- 愛知環状鉄道
- 名古屋臨海高速鉄道
- 東海交通事業
- 長良川鉄道
- 明知鉄道
- 樽見鉄道
- 養老鉄道
- 伊勢鉄道
- 三岐鉄道(北勢線のみ)
- 近江鉄道
JR東海の路線と接続があって利用できないのは大手私鉄(小田急・名鉄・近鉄)と大井川鉄道、名古屋市交通局ぐらいです。大井川鉄道が運賃水準が高いので、フリーきっぷで往復SLに乗られてしまっては割が合わないのでしょう。
これまでJR他社でもJR東日本の「東北ローカル線パス」・「パワフル×スマイルちばフリーパス」・「ときわ路パス」、JR九州の「旅名人の九州満喫きっぷ」等JR線と周辺一帯の私鉄が利用できるフリーきっぷが発売されていましたが、まさかJR東海から同じようなものが出てくるとは思いませんでした。
専用アプリでチェックインしたポイント数で参加鉄道会社のグッズがもらえるキャンペーンを行ったり、facebookページを開設したりとこれまでにないアプローチで企画されているのも特徴的です。
私が利用した現物です。16私鉄での発売はなく、JR駅と近辺の旅行会社でマルス券のみの発売です。名古屋地区では指定席券売機でも発売しているようです。静岡地区はありませんでした)。16私鉄の中で自動改札機が入っている会社もありますが、自動改札機に対応しない120mm券になっています。
特急券を買い足せば東海道新幹線は4回(「のぞみ」は不可)まで、在来線特急は回数制限なしで利用できます。東海道新幹線の4回をカウントするために専用の券片まで用意されています。新幹線に乗車する際はこの券を呈示してスタンプを押してもらう必要があります。
ただし、特急利用には制限があって、在来線特急は新幹線との乗継割引を適用させて半額で利用することはできません。乗継割引が適用できる条件であっても、正規料金での購入が必要になります。また、フリー区間内⇔フリー区間外を利用する場合は特急券を境界駅で分割する必要があります。
上の2枚のきっぷは豊橋~新横浜間で新幹線に乗車したものです。が、通しで豊橋~新横浜で購入するのではなく、このように境界の熱海駅で分割するのが正解です。通しで購入するより870円割高になっています。ただし、この場合でも熱海駅で下車する必要はありません。
こんな意地悪な制限をかけたのは、新幹線の長距離利用との併用を嫌ってのことではないかと推測します。土日で東京~米原を普通に往復する場合、往復運賃は14,680円になります。それが、このきっぷを併用し、エリア外区間を別途買い足すと12,360円(8,480円+1,940円×2)で済みます。こういう使われ方はきっぷの本来の趣旨と異なるでしょうから、特急券分割させることで程度歯止めをかけようとしたのではないかと思っています。
【ひとこと】
私鉄はよくぞこれだけ網羅したもんです。生粋の私鉄から国鉄転換の第三セクターに市電、ナローゲージとバラエティに富んでいます。もっとも、これだけ参加会社が多いとJR東海からの分け前が少ないのではないかと気になってしまいます。
フリー区間内⇔フリー区間外を利用する場合の特急券分割は不満ではありますが、仕方ないのかなと思います。逆に併用する元の新幹線特急券だってJR東海区間で完結しているので、在来線特急券の乗継割引は利用可にして欲しかったです。
使い勝手…★★★☆☆
お得感…★★★★☆
当日発売…あり
小児用…あり