続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

西日本どこまで4DAYS

 昨年度で鉄道開業150周年にまつわる企画が終了しました。お膝元のJR東日本では大小いろいろな企画がありましたが、他社ではそれほどでもなかったと思います。国鉄が分割されてJRになって35年も経ちますから、一体で盛り上げようという機運がイマイチ盛り上がらないのは仕方ないのかもしれません。

 JR西日本では鉄道開業150周年の企画の一つとして今年2月21日~3月21日の1ヶ月間で「西日本どこまで4DAYS」という4日間で9,800円のフリーきっぷをe5489限定で発売しました。フリーきっぷだと「〇〇フリーきっぷ」とか「〇〇パス」とか付きそうなものですが、「西日本どこまで4DAYS」という変わったきっぷ名でした。

 フリーエリアは以下の通りです。

  • JR西日本の在来線全線
  • 智頭急行全線
  • IRいしかわ鉄道:金沢~津幡(JRとの通過利用に限る)

 在来線全線が利用できるきっぷと言うと「青春18きっぷ」が真っ先に思い浮かぶ人も多いと思います。このきっぷの1日あたり2,450円で、「青春18きっぷ」は1日(回)2,410円なので価格はだいたい同じです。

 大きな違いは「青春18きっぷ」は特定区間を除き特急列車がほぼ利用できないのに対し、このきっぷは特急券を買い足せば在来線特急が利用できます。ただし、新幹線は利用できず、新幹線を利用する場合は特急券に加えて乗車券が必要になります。

 このきっぷの発売のプレスリリースを見たとき、新幹線を利用不可にして在来線縛りをかけたのはうまいこと考えたなと思いました。JR西日本の営業エリアは東は新潟県(上越妙高)から西は福岡県(博多)まで幅広く広がっています。この価格で特急券別途購入でも端から端まで新幹線も利用できてしまうとJR西日本にとっては大損です。

4日間で利用した特急列車

 また、飛び地となる富山・新潟県の氷見線・城端線・高山線・大糸線を利用するには並行3セクか新幹線を利用しないと行けないですし、山陽線の倉敷以西は在来線特急が走ってないので、仮に関西から広島・山口へ行こうとするなら我慢して普通列車を利用するか、新幹線に別途課金するかのいずれかになります。

 きっぷの名称とは裏腹に在来線だけに縛ることによって行ける範囲に限度が生じ、それゆえ1日あたりの価格を「青春18きっぷ」並みに抑えられたんだと思います。それに特急列車を利用するには別途特急料金が必要なのでJR西日本にとっては小銭を稼ぐこともできます。

 私は京都~大阪~和歌山~兵庫~山陰~四国(の入口)まで動き回りました。3日目~4日目にかけて四国に渡り、4日目に岡山から新幹線で帰ったので実質利用したのはほぼ3日間でした。

www.imadegawa075.net

 「J-WESTチケットレス」や「トク特チケットレス」を駆使して、特急料金は結構抑えられたと思っていましたが、それでも15列車も利用してしまうと別途支払った特急料金は17,000円にも積み上がっていました。

 でも、電車に気動車に、国鉄型の残党にJR型や私鉄車両といろいろ楽しめましたし、いつも新幹線で山の中を突っ走りあっという間に通り過ぎてしまっていたところを、たまには在来線を駆使して急がない旅をするのもなかなかいいもんだなと思いました。

 このきっぷを利用した旅行から戻った翌日にJR西日本からこのきっぷに関するアンケートが来ていました。利用客に対してアンケートを取る場合、再発売するかどうかの検討材料にするんだと思います。e5489のみの発売だとこうして購入者の捕捉が容易にできます。

 今回の2月21日~3月21日という発売期間は閑散期対策として設定されたと認識しています。おそらく再発売されるとしたらGW明けから夏休み前までと予想しますが、果たして結果はいかに?