消費税増税による運賃改定を前にして、JR東日本の新潟支社管内の無人駅に設置されている簡易券売機が撤去され、きっぷを発券する機能がない乗車駅証明書発行機への置き換えが進んでいます。
ざっくりメリットデメリットを挙げてみます。
【メリット】
- 現金の回収が不要。
- 現金を券売機に残さないので盗難や破壊のリスクが減る。
- 運賃改定の際に券売機の設定変更作業が不要。
【デメリット】
- 車内や着駅で運賃精算する必要がある。
だいたいこんなところだと思います。注意しておきたいのはメリットの主語はJRで、デメリットの主語は利用客であることです。
今回の措置は利用客にとっては何のメリットもありません。ただ、無人駅の稼働率が低い(と思われる)券売機を人手をかけて維持し続けることが企業経営として正しいとも思えません。コストと利便性の狭間で悩ましい問題ではあります。
ここで言う簡易券売機とはこのようなものです。タッチパネルではなく押しボタン式で、紙幣は千円札のみ対応で、近距離の片道乗車券だけを発売しているものが多いです。
こちらが簡易券売機を置き換え、新たに設置された乗車駅証明書発行機です。この写真の北堀之内駅はおそらく機械を入れ替えたと思われますが、中には簡易券売機をそのまま流用し、金額ボタンと現金投入口を板で塞いで、乗車駅証明書発行ボタンだけを追加するという荒っぽい対応で済ませた駅もあります。
発券される乗車駅証明書はこのようなエドモンソン券で磁気情報が入っていて、自動精算機にも対応しており、そのまま突っ込めば精算ができます。大人と小児では当然運賃が異なるので、このように乗車駅証明書にも大人小児の区別をしています。こういったものは初めて見ました。
無人駅が多い路線では、列車が有人駅に到着すると運賃精算をするために改札に精算待ちの長蛇の列ができることがあります。自動精算機を設置すれば客が分散しますから、精算時の混雑緩和にもなると思います。ただ、この辺りは自動精算機の設置している有人駅がまだまだ少ないのが難点ですが。