指宿枕崎線・喜入駅は鹿児島市にあります。かつては喜入町という町でしたが、2004(平成16)年11月に鹿児島市に編入されています。世界最大級の石油備蓄基地があることでも有名です。
この辺りの駅が「SmartSupportStation」の導入により無人化されるらしいという情報を聞いていたため、元旦のフリーきっぷを利用して12年ぶりに再訪しました。駅は水〇岡氏によるリニューアルされ、小ぎれいになっていました。
喜入駅は「喜び入る」として縁起のいい駅名として有名です。ここは駅の方もちゃんと商売として考えていて、縁起物としてPOS端末で発券した入場券に「合格祈願」や「家内安全」といったスタンプを押して発売しています。
私が現地に着いたのは朝10時ごろで、地元の人が車でひっきりなしに訪れ、次々と元旦の入場券を買い求めていました。「家内安全」や「交通安全」などスタンプを指定して複数枚買う人が多かったです。
たぶん普段は1人勤務だったんでしょうが、この日は2人がかりで発券と発売を分担していました。机には発券済みの大量の入場券が並べられていました。話を伺ったところ、既にこの時点で入場券を1000枚発券していて、これでもまだ足りないぐらいだったそうです。硬券や常備券ならともかく、POS端末で発券したものがそんなに売れているとは思いませんでした。
こうして元日に窓口で入場券を売るのも今年で最後になってしまう可能性があったので、想定外の支出でしたが一通り買ってみることにしました。
係員:「還暦祝や安産祈願もいりますか?」
私:「...いちおうください」
ということで8種類コンプリートです。発券時刻が10:32でないものは前出ししたものです。ここで満足してしまったので、スタンプを押してない入場券を買い忘れたのは詰めが甘かったです。
ついでに翌日利用の「初乗り!お年玉乗り放題きっぷ」も購入しました。正月限定のフリーきっぷを縁起のいい名前の駅で仕込みました。
結局、喜入駅は5月30日で無人化されました。私が今後について尋ねた際には「無人化は既定方針だけど、元日の入場券発売はどうなるか分からない」という話は聞いています。仮に元日に入場券が1000枚売れていたとしたら、170円×1000枚で17万円の売り上げです。可搬式のPOS端末で臨発をしても採算が取れると思います。地元に根付いた恒例行事の継続として元日ぐらいは臨発に期待したいところです。
ところで、6月17日のJR九州鹿児島支社のプレスリリースで喜入駅にきっぷへ押す用の記念スタンプを設置することが発表されました。「合格祈願」「祝ご結婚」「安産祈願」の3つに減っていますが、券売機で発券されるエドモンソン券に適した横書きの印に変更されています。これも機会があれば紹介します。