新幹線eチケットサービス
今年3月のダイヤ改正で東北・北海道・山形・秋田・上越・北陸新幹線で利用されていた「モバイルSuica特急券」が終了し、「新幹線eチケットサービス」が始まりました。JR西日本エリアの北陸新幹線区間では(上越妙高~金沢間)JR西日本が「北陸新幹線eチケットサービス」という名称で展開しています。
「モバイルSuica特急券」は2008(平成20)年3月に始まったサービスで、携帯のモバイルSuicaアプリから新幹線を予約し、モバイルSuicaを利用してチケットレスで乗車するというものでした。ただ、使い勝手がよくなかったため広く普及していたとは言えず、使っている人は2~3回しか見たことがありませんでした。私自身も一度も使わずに終わりました。
PCやスマホの「えきねっと」で新幹線を予約する際にはこのように「新幹線eチケットサービス」を利用するか、そうではなく通常通りきっぷを受け取って利用するかを選択します。
「新幹線eチケットサービス」は「えきねっと」で予約し、事前に登録しておいた交通系ICカードで乗車する仕組みです。モバイルSuicaを登録しておけばモバイルSuicaでも利用できます。「モバイルSuica特急券」は1人でしか予約・利用できませんでしたが、「新幹線eチケットサービス」は同時に6人まで予約できます。チケットレスで利用する場合は全員分の交通系ICカードの登録が必要です。
また、東京都区内・東京山手線内や仙台市内の特定都区市内制度は適用されません。システム的にはJR東日本版の「スマートEX」的な感じです。
...という紹介をしましたが、私はきっぷヲタなのでチケットレス予約をチケットレスで利用しない方法を画策する人種です。せっかくきれいに包まれた餃子を皮と中身に分けて食べるような感じです。
「新幹線eチケットサービス」をチケットレスで利用するには乗車前まで(予約と同時でなくとも可)に交通系ICカードの番号を登録しておく前提ですが、登録をしない場合はきっぷに引き換える必要があります。登録した交通系ICカードを忘れてきたり、何かしら突発的な事象で使えないときのためにもこういう抜け道はあった方がいいでしょう。
私が実際にきっぷに引き換えたものです。碓氷峠ワープ用に利用しました。最上段に[新幹線eチケット(えきねっと)]と印字されています。「えきねっと02」というダミー発売箇所の下に実際の発売箇所である「群馬総社駅E1」が印字され、「えきねっと」予約のきっぷとは大きく様式が異なります。
指定席用の発売額は所定額から200円引きです。あくまで所定額からなので普通車指定席利用の場合は繁忙期・通常期・閑散期の変動があります。自由席用は所定額と同額です。このあたりも「スマートEX」と同じです。
ちなみにこれまでの「えきねっと」ではクレジットカード決済がきっぷ受け取りのタイミングですが、「新幹線eチケットサービス」は予約と同時に変更されています。
帰りは2列車乗り継ぎの予約もしてみました。密かに一葉券を期待しましたが、このように席無し券+指のみ券2枚という従来通りの結果に終わりました。
これは「新幹線eチケットサービス」が始まる前からの問題ですが、スマホ版「えきねっと」で長野→熊谷間を列車検索してみると、このように直通列車しか検索結果に表示されず、今回のパターンのような乗継は表示されません。
回避するにはPC用「えきねっと」の「乗換・運賃案内」か「乗継」のメニューから予約する必要があります。スマホからPC用の画面へのアクセスはできますが、あくまでPCに対して最適化された画面なので使い勝手は悪いです。出先から予約したい場合は結構困ります。
6月9日のプレスリリースで来年夏に「えきねっと」のサービス内容を一新することが発表されました。クレジットカード以外の決済方法を追加したり、「新幹線eチケットサービス」で往復割引や株主優待割引も利用できるようになるそうで、2000(平成12)年のサービス開始以来最大のリニューアルとなる予感です。合わせてこのへんの使い勝手の悪さも改善してもらえるとありがたいです。