続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

S Work席

S Work席

 10月より東海道・山陽新幹線の「のぞみ」に「S Work車両」が登場しました。これはビジネス客が車内で気兼ねなく仕事できるよう7号車を「S Work車両」としました。新型コロナ禍で新幹線のビジネス客が減り、座席供給数に余裕が出てきたため、こういうサービスが登場したんじゃないかなと思います。

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S work車両のロゴ

 新幹線の客室内での携帯電話の通話は禁止されている(守らない人も多いですが)ため、外から着信があるたびに小走りでデッキへ出ている人をよく見かけます。また、平日に新幹線に乗ると、自席で耳障りな打鍵音をバチバチ鳴らしながらノートPCに向かって仕事をしているおっさんもいます。

 それぞれ当人たちが好き好んでそういう状況になっているわけではないんでしょうが、「S Work車両」では電話の通話やWebミーティング、パソコンの打鍵音などの音を利用客同士で許容することによって、気にせず仕事に集中できるようにしています。逆にビジネス利用のため、利用客同士の歓談や座席を回転させての利用は控えるよう呼び掛けています。

 私の場合はたまに出張はあるものの、年数回の程度なので会社からのノートPCの貸与はありません。なので、新幹線であろうが飛行機であろうが移動中に仕事はしません。ただ、「S Work車両」の雰囲気がどんな感じなのかは気になっていました。

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券売機では満席として表示される 2021/11/11

 「S Work車両」の特急券は「EX予約」もしくは「スマートEX」のいずれかでの発売で、駅のみどりの窓口や旅行会社での発売はありません。「EX予約」や「スマートEX」ではそれぞれのサービスの乗車券がセットになった普通車指定席の通常価格での発売で、早特との併用はできず、特急券単体での購入もできません。また、ビジネス客を対象としているため小児の設定もありません。

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S Work席の特急券

 こちらは「EX予約」で予約した「S Work席」の特急券です。きっぷの様式は通常のEX予約と変わらないですが、券面の上部に「EX予約 S Work席」と印字されているのが特徴です。

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S work車両のご案内

 N700Sで運用される編成については、新幹線車内Wi-Fiの通信容量を2倍にし、30分で切断される時間制限がなくなったと聞いていたので、N700Sの列車を決め打ちで予約しました。

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JR東海ホームページのトピックス

 N700Sの運用本数増加に伴いJR東海のtwitterでの運用の告知を止めてしまったので、調べにくいとは思いますが、JR東海公式HPのトピックスという欄に「車いすスペースが6席あるN700S車両で運行する列車はこちら」という項目があり、そこには確実にN700Sで運用される列車が記載されています。

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のぞみ247号7号車 2021/10/15

 私が乗車したのは金曜日でしたが、「のぞみ247号」は東京発が17:39とビジネス客が利用するには少し早めだったため、名古屋~新大阪間では窓側の全部と通路側のC席が少し埋まっていた程度でした。その中でパソコンを広げていたのはせいぜい5~6人で、スマホをいじっていた人の方が多い状態でした。

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大津市内を走行中に試したもの

 増速されたとされる新幹線車内Wi-Fiの速度を測定してみたところ、まったく効果が実感できませんでした。京都駅停車前に列車が減速した大津市内で測定してみても、上のような結果でした。どうやらWi-Fiの増速はN700Sに全車実装されているわけではないようで、これから順次実装していくようです。なので、私が乗車していた編成(J18編成)は未実装だったのかもしれません。

 10月に緊急事態宣言が解除されて以降、通勤電車の混雑はかなり戻ってきたと実感します。反面、出張需要はまだ戻り切っていません。出張は費用も時間もかかりますから、緊急事態宣言下で急速に普及したweb会議で済ませられるものは済ませるという傾向は簡単には止まらないと思います。よって、以前のような出張需要は期待できないかもしれません。

 そういった厳しい経営環境下でビジネスで新幹線を利用する際は車内で快適に仕事できるようにし、少しでも利用の回復に繋げたいという思惑があると思っています。今のところ「S Work車両」は来年3月末までの実施予定で、ビジネス客が少なく帰省ラッシュで混み合う年末年始(12月28日~1月6日)は除外されます。