JR東日本グリーン料金値上げへ
来年春からJR東日本の新幹線・特急列車に適用されるAグリーン料金が値上げされることになりました。快速・普通列車に適用されるBグリーン料金は据え置きです。実施はおそらく来年3月のダイヤ改正に合わせてと思われます。プレスリリースの文頭に「お客さまのご利用状況および経営環境の変化をふまえ」とあったので、新型コロナ禍が値上げの後押しをしたのは間違いなさそうです。
現在のJR東日本のAグリーン料金は2002(平成14)年の東北新幹線八戸延伸開業の際に値下げされており、JR6社共通の料金より割安になっていました。値上げと言うよりはJR6社共通の料金並みに「戻す」というイメージです。
さっそく比較してみます。
100 Km |
200 Km |
300 Km |
400 Km |
500 Km |
600 Km |
700 Km |
701 Km超 |
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JR東現行 | 1,050円 | 2,100円 | 3,150円 | 4,190円 | 5,240円 | |||
JR東値上げ後 | 1,300円 | 2,800円 | 4,190円 | 5,400円 | 5,600円 | 6,600円 | ||
JR6社共通現行 | 1,300円 | 2,800円 | 4,190円 | 5,400円 | 6,600円 | 7,790円 |
値上げ後の料金は600KmまではJR6社共通の料金と同じですが、600Kmを超える分は割安に設定されています。Aグリーン料金だけでなく、Aグリーン料金をベースに設定されているグランクラス料金・「サフィール踊り子」のプレミアムグリーン料金も値上げされます。
それにしてもJR6社共通のグリーン料金に加えて、JR東日本では独自のグリーン料金、グランクラス料金、プレミアムグリーン料金と3種ある上に「成田エクスプレス」用の特例もあり、JR九州でも独自のグリーン料金、DXグリーン料金、「36ぷらす3」専用グリーン料金と3種類あり、グリーン料金だけでも乱立している状態です。
私が鉄道に興味を持ち始めた頃は検索サイトやアプリなんて便利なものはなく、時刻表をめくってキロ数から運賃や特急料金を手計算していたので、グリーン料金だけでもこれだけ乱立されてしまうと、料金体系がますます分かりにくくなってしまうのではないかと感じます。戻す値上げをするのなら、600Kmを超える分も共通の料金と同じにして欲しかったです。
個人的には新幹線や特急列車のグリーン車はほとんど利用しないので、ぶっちゃけ値上げされてもさほど困りません。
現在のJR東日本の100Km以内のグリーン料金は1,050円なのに対し、指定料金は距離関係なく通常期で530円で、価格差520円です。それが繁忙期だと730円なので、価格差はわずか320円に縮まります。言い換えれば繁忙期には指定席に320円足せばグリーン車に乗れるのが現状です。
なので、本当に気が向いたときにこうして100Km以内の区間のグリーン車を利用することがたまにあったぐらいです。グリーン料金が1,300円になると価格差は広がりますから、こういう使い方はしなくなると思います。個人的なグリーン料金値上げの影響と言ったらこれぐらいですかね。