昨年4月からJR九州管内の在来線の特急料金が値上げされました。今まで割安に設定されていた特急料金が本州のA料金並みに引き上げられました。
その値上げのタイミングで博多~行橋・門司港間の特急列車の車内で発売する同区間内の自由席特急券については別途200円の車内料金が課されようになりました。
特急券を車内発売する際の車内料金の加算というのはJR東日本の「着席サービス」適用の特急列車や小田急や東武でも導入されています。ただし、これらはいずれも全車指定席の特急券に対してであり、自由席特急券に対して導入したのはおそらく初めてではないかと思います。
嫁の実家が鹿児島線・折尾駅の近くなのでこの区間の特急列車は割とよく利用します。通勤時間帯の列車では特急券を買わずに乗ってきて、(車内改札に遭遇したら)車掌から買う人がかなり多いことに驚きました。なので、車内料金を導入して事前の特急券購入を推奨しようという施策は分からんでもないです。
ただ、博多~行橋・門司港間だけという設定区間は正直微妙です。博多~佐賀間だって特急券を買わずに乗ってくる客はいっぱいいますし、車内で特急券を発行する手間は変わらないのに特急「ソニック」に乗っていて行橋を境にそういう区別(差別?)をする理由も分かりません。
25Kmまで | 50Kmまで | 75Kmまで | 100Kmまで | |
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博多~下曽根・門司港間 | 500円 | 600円 | ||
九州内B特急料金 | 500円 | 750円 | 1,000円 | 1,200円 |
博多~下曽根・門司港間は特定特急料金が適用されて、26Km以上の区間が600円と割安に設定されていますが、下曽根を越えると九州内のB特急料金になります。どうしても車内料金を加算するなら割安な特定特急料金の範囲に留めておけば口実としては分かりやすかった感はあります。
また、こういう雑な制度ができると粗探しをしてみたくなるものです。戸畑~行橋間(29.6Km)の自由席特急券を車内で購入すると特急料金750円に車内料金200円が加算されて950円になりますが、一つ先の特急停車駅である戸畑~宇島間(49.8Km)の自由席特急券を購入すると車内料金が適用されずに750円で済むという逆転現象が発生します。
嫁は福岡在勤時代に折尾~博多間を特急列車で通勤していて、車内で特急券を買うことが当たり前になっていました(途中からエクセルパスに切り替えました)。久々に帰省した際にかつてのノリのままホームに止まっていた特急に飛び乗り、車内料金適用の特急券を買う羽目になっていました。
嫁が車内で購入した自由席特急券です。右下に「車内料金適用」と印字されています。今では車発機が新型に交換されたようで様式が変わっているかもしれません。嫁は値上げ前に520円だった特急料金が値上げと車内料金加算で800円になっていたので「高くなった!」と愚痴っていましたが、事前に買っとかない方が悪いですね…。
この制度が導入されて以降、車内で車掌から特急券を購入する人の数が目に見えて減っているので効果はあったと思います。今後ほかの区間にもこの制度が広がるのか気になるところですが、そうであればもう少し券売機を増設するなりネット予約を改良するなりして、事前に自由席特急券を買いやすい体制を整えて欲しいものです。