昨年10月14日のＪＲ北海道のプレスリリースで、唯一のSL列車である「SL冬の湿原」の客車をリニューアルするとともに、指定席料金を840円から1,680円に値上げすることが発表されました。
SL列車の指定席料金を1,680円へ値上げするというのはＪＲ九州の「SL人吉」で昨年4月から実施されていて、それに追随した形です。同時に「北海道フリーパス」や「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」の指定券発行枠からも除外とされ、外国人向けのフリーパスでも別途指定席券が必要になっています。
SLの維持費がかかる上に客車をリニューアルした対価と思えば仕方ないですが、1,680円は率直に高いなと感じます。指定席料金に釧路～標茶間の運賃（1,290円）を足すと片道2,970円になります。往復利用すると大人一人6,000円弱になり、結構なお値段です。大人2人と子供2人の家族連れで往復利用したら2万円近くになります。
今季はボロボロになっていた客車のリニューアルとともに、今季は運転日数を12日増やして1月22日から3月21日までの主に週末の33日間とし、外国人観光客が期待できない環境下でも稼ぐ気満々の意欲を感じました。
しかーし。今季の初日の運転を間近に控えた1月19日に、SLのピストンリングという部品が割れて修繕に時間がかかることから、1月中の5日分の運転は客車はそのままでSLからディーゼル機関車（DL）に牽引機を変更し、指定席料金は530円に変更することが発表されました。これに伴い各種フリーパスの指定券発行枠で発券できるようになっています。
その後、ＪＲ北海道は何とかしてSLでの運転再開を模索したのは2月9日のプレスリリースからも伝わりましたが、結局は今シーズンの運転はすべてDLとなりました。
| リリース日 | リリース内容 |
|---|---|
| 1月19日 | 1月中のDL変更・530円の指定券発売、2月以降の指定券は発売保留 |
| 1月31日 | 2月中のDL変更、2月中の指定券の発売再開・3月中は保留 |
| 2月21日 | 3月13日までをDL変更・同日までの指定券の発売開始 |
| 3月7日 | 3月18～21日をDL変更・同日までの指定券の発売開始 |
DL変更のプレスリリースはこのように小出しで出されました。3月を2回に分けたのは3月19～21日にJALとＪＲ北海道との連携企画が予定されていたので、ギリギリまでSLでの運転を模索したんだと思われます。
幻となった1,680円の指定席券です。甥1を連れて乗りに行くために1ヶ月前に2月12日の指定券を「えきねっと」で購入していたので、SLで運転されることに賭けて受け取ってきました。ちなみに、新「えきねっと」は予約と決済は同時になって、発売保留がかかっても購入済みであることには変わりないので、受け取りはできるようです。
1月19日時点で2月19日までの指定券が発売開始済みでした。2月19日までのDL変更された列車の指定席券は「えきねっと」や指定席券売機での発売はせず、みどりの窓口で料補対応となったようです。こちらの券は平成29年のものですが、今回同様に指定券発売開始後に牽引機がSLからDLに変更になった時のものです。発券時にDL牽引になっても問題ないかを確認され、記事のところに「DL牽引承知」と手書きで追記されています。
なお、2月20日以降のDL変更された列車の指定席券は引き続き「えきねっと」や指定席券売機での発売はしなかったものの、みどりの窓口でマルス券で発売されました。2月20日以降の指定席券は1月19日時点では未発売で、DL変更が決定した1月31日の発売再開時点で料金情報を530円に変更できたためマルスで発券できたものと思われます。
去年までは「SL冬の湿原」の指定席料金は840円でした。料補ばかり注目を集めましたが、料補ではないマルス券の530円の「SL冬の湿原」の指定席券の方がかえって珍しいんじゃないかと思っています。
ちなみに、2月12日の指定席券は関東地方の大雪で北海道へ行く飛行機が欠航になったため旅行自体を延期し、2月20日の指定席券は北海道上陸はできたものの道東地方の荒天の影響で釧路へ行く「おおぞら」が運休になってどちらも利用することはできませんでした。個人的にも今年は「SL冬の湿原」とは縁がなかったなと思っています。
来年こそはという思いはありますが、1,680円の指定席料金はやっぱり高いですね。ダイヤ的に片道だけ乗るのが難しいだけになおさら…。
